2019 Fiscal Year Annual Research Report
全身に触覚を持つヘビ型ロボットによる複雑環境上での自律移動と作業の制御
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18J22772
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹森 達也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 制御工学 / レスキューロボット / 生物模倣 / ロボティクス / メカトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,ヘビ型ロボットを用いた歩容遷移制御を中心に研究を行い,その成果について学会発表,および論文執筆を行った. ヘビ型ロボットを用いて異なる環境間を跨いで移動する手法について研究を行った.昨年度に床を移動可能な形態からはしごに取りつく制御を実現したが,これを拡張し,より多様な環境に適用する手法を提案した.本手法では床-梯子間にとどまらず,異なる環境間を跨いだ移動を一般的に扱い,手法の適用範囲や適用条件を明らかにした.そして,はしごへのとりつきだけでなく,壁に空いた穴の通過や床下への進入など,多様なタスクへの適用を行い手法の有効性の広さを示した.本手法の一部に関して,第63回システム制御情報学会研究発表講演会にて口頭発表を行った.この発表により、2020年度システム制御情報学会奨励賞に内定している.また、現在,この研究成果に関する論文を現在執筆中である. さらに,従来開発していたヘビ型ロボットよりも関節トルクの大きいヘビ型ロボットを設計し,開発中である.新しく開発しているヘビ型ロボットにより,高負荷になる体形や作業の実現が可能となる. また,全身に触覚をもつヘビ型ロボットを想定し,複雑な環境形状に体形を適応させる手法について研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,ヘビ型ロボットによる複雑環境上での移動制御に関して多くの研究成果を生み出した.ヘビ型ロボットを用いて異なる環境間を跨いで移動する制御手法について研究を行い,これまでは床から梯子への取りつきだけに適用されていた手法を拡大して壁に空いた穴の通過など多様な課題に対応できるようにした.このような異なる歩容間を繋ぐ制御は複雑環境を移動するためには不可欠であり,重要な研究成果である.現在,この研究成果を英文学術雑誌に投稿するために,原稿を作成中である. はしご昇降に関する研究成果をシステム制御情報学会主催の国内学会SCI’19にて発表した.この成果により,2020年度システム制御情報学会奨励賞に内定している.また,一連のヘビ型ロボットの制御に関する研究を含む業績により,若くして国際レスキューシステム研究機構 2019年度竸基弘賞技術業績賞を受賞するなど高く評価されている.
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Strategy for Future Research Activity |
複雑環境上をヘビ型ロボットが自律移動するための制御手法の構築に取り組む.全身に触覚を持つヘビ型ロボットを想定し,配管を移動しながら複雑な配管形状にヘビ型ロボットが自律的に自身の形状を適用させる手法の構築に取り組む.そのためには,配管との接触情報から局所的に配管形状を推定して適応する必要があり,ヘビ型ロボットの全身を均一に制御する従来の手法とは異なる制御手法が必要となる.さらに,環境の形状を曲率と捩率に基づいて推定することで汎用性を高め,配管に限らず多様な環境に適用可能な手法へと発展させる. 設計した制御系に基づいてロボットの仕様を決定し,新たに全身に触覚を持つヘビ型ロボットを開発する.現在開発中のプロトタイプ機を基に触覚機能の精度や課題を明らかにし,改良した設計を基に最終的な構成を決定して開発を行う.この開発したヘビ型ロボットを用いて,配管の自律移動手法の有効性を実機実験により検証する. また,これらの成果をIEEE Transaction on Robotics誌に投稿する.
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