2018 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代前半における「子どもを守る」運動の射程
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18J22883
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 刀也 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 基地 / 教育 / 子ども / 福祉 / 冷戦 / 朝鮮戦争 / 平和教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
①1950年代前半、とりわけ本土独立(52年)以降の岩国市では、「基地の子どもを守る」運動の全国的展開を背景としつつ、山口県教組岩国支部の婦人部に集った女性教員を中心的な担い手として「基地の子どもを守る」ための諸活動が活発になされた。報告者は、岩国基地周辺地域における子どもの権利保障と女性の権利保障の両立不可能性という問題について、ジェンダー史研究の知見に学ぶとともに、ジェンダー史家と直接に議論を進めることで考察を深めた。その成果については、山口刀也「中原ゆき子「軍事基地下の圧迫に対してどのように抵抗したか」を手がかりとして」日本教育史研究会『往来』」(239号)2019年4月号、を参照されたい。 ②朝鮮戦争期の山口県は、平和教育運動の先駆性や積極性において全国的にひろく高く評価されていた。 なかでも、基地を擁する岩国市の教員たちによって展開された平和教育をめぐる諸実践は、県下において注目を集めていた。提出者は、この点に着目し、岩国市における平和教育の実験校として知られていた愛宕小学校における平和教育の試みについて、史料の収集と分析を行なった。成果:平成30年9月末に開催された、教育史学会第62回大会において発表を行なった。なお、現在、その発表内容を歴史学研究会に投稿するために整理している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、研究成果を残しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
行政史料の収集と分析が求められる。行政史料管轄者へのアポイントメント取得を迅速に図ったうえで、史料調査を行いたい。また、史料調査と並行して行政史的手法を学習したい。
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Research Products
(2 results)