2020 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロン分化の過程で協調的に多数の遺伝子発現を制御する機構の解明
Project/Area Number |
18J23116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 星辰 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 神経発生 / エピジェネティクス / クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス大脳新皮質上層ニューロンの分化過程において、遺伝子発現制御に重要であることが知られているエピジェネティック状態がどのようにして変化しているかについて詳細には明らかにされていない。そこで本年度、胎生16日目に神経系前駆細胞から新たに生み出された、将来大脳新皮質上層ニューロンへと分化する細胞群を遺伝子改変マウスを用いて遺伝学的に追跡した。 ニューロンは分化過程において短期間のうちに大きく遺伝子発現状態を変化させることが知られている。そこで10x Genomicsのsingle-cell ATAC-seq技術を用い、受精後16日目から20日目までの4日間の初期分化過程における、様々な分化段階の1万個以上の細胞のエピジェネティック状態の変化を解析した。得られた様々な分化段階の大脳新皮質上層ニューロンについて、クロマチン凝集状態の類似度によりクラスタリングし、擬時間解析により各クラスタの分化度を推定することで、1日単位より短い「数時間単位」の分化過程でのクロマチン凝集の変化を観察することに初めて成功した。さらに、遺伝子自体の転写許容状態を反映する「遺伝子コード領域周囲のクロマチン凝集状態」および転写因子の活性化度合を反映する「転写因子結合モチーフのクロマチン凝集状態」の「数時間単位」での推移パターンを網羅的に解析した。そしてこれらの推移パターンの違いに着目することで、生体内での大脳新皮質上層ニューロンの分化過程における転写誘導因子、パイオニア転写因子、転写抑制因子の候補を見出した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)