• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Annual Research Report

高齢個体における正常な卵子形成を保障するリン酸化修飾制御の解明

Research Project

Project/Area Number 18J40202
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

佐藤 綾  京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(RPD)

Project Period (FY) 2018-04-25 – 2021-03-31
Keywords減数分裂 / 染色体 / ホスファターゼ / 卵子 / DNA二重鎖切断
Outline of Annual Research Achievements

減数分裂における染色体分離には、減数分裂前期に母方と父方の染色体を相同組み換えによって繋ぎかえることでつくられる交叉形成が必須である。交叉を形成するためには、DNA切断酵素SPO-11がDNA二重鎖切断を作ることで組み換えを開始しなければならない。酵母においてSPO-11は、9種類の制御因子と複合体をつくり、そのDNA切断活性は複雑に制御されているが、多細胞生物ではSPO-11の制御因子はほとんど同定されておらず、DNA切断の制御メカニズムには謎が多い。申請者は、線虫を用いて、PP4を新規の不妊因子として同定し、PP4が減数分裂前期におけるDNA二重鎖切断を促進することによって、卵子形成に機能することを示した。しかしながら、PP4がDNA二重鎖切断を促進する分子メカニズムは不明のままであり、PP4の作用機序を明らかにするためには、PP4の基質や下流因子を同定する必要がある。PP4変異株の不妊の表現型を相補するサプレッサースクリーニングを行ったところ、計73株のサプレッサー変異を単離することに成功した。そこで、本研究では、これらのサプレッサー変異の同定し、その機能を解明することで、PP4がDNA二重鎖切断を促進するメカニズムを明らかにすることを目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は、本来、PP4のサプレッサースクリーニングより申請者が獲得したサプレッサー変異を同定することにより、PP4の関連因子を明らかにすることを目指していた。しかしながら、XND-1, CHL-1, ZK370.4などの減数分裂関連遺伝子を含む10種類以上のサプレッサー株を、全ゲノムシーケンスし、それぞれ候補のSNPsを同定し、サプレッサー候補因子としてこれらの変異をCRISPR-Cas9を用いて再導入しても、PP4変異株をサプレスしないという問題が生じた。そこでさらにスクリーニングにもちいたPP4株を全ゲノムシーケンスして詳しく調べたところ、この株には元々複雑なgenomic rearrangementが生じており、PP4の遺伝子座を含むゲノム領域が重複して複雑に挿入されていることが判明した。これは、元々このPP4欠損株が単離されるときに使用されたUV/TMP法により、ゲノムの傷が複雑に修復された結果だと予測される。加えて、このgenome rearrangementが、本来のPP4遺伝子座の近隣で生じていたため、元の欠損株をバッククロスしても、プロモーターを欠くかたちで重複されていた部位を除外できていなかった。結果として、我々が単離したサプレッサーは、元々は、プロモーターを欠くために発現していなかった、(PP4欠損株のゲノム上の)重複したPP4遺伝子が、我々のEMS変異導入により弱く発現できるようになったものであると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

上記の進捗状況に述べた技術的な理由より、今後の大きな方針転換を余儀なくされた。そこで、今後は、既知の減数分裂因子を候補として、候補ベースにPP4の変異株と遺伝学的に相互作用するもの、PP4変異株において異なる挙動を示す減数分裂因子を探索することで、PP4の関連因子を探すことを目指す。

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi