2018 Fiscal Year Research-status Report
暴力を語ること・表象することをめぐる根源的問題についての領域横断的研究
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18K00017
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
飯野 勝己 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (70551729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 安芸子 (藤村安芸子) 駿河台大学, 現代文化学部, 教授 (20323561)
坪井 雅史 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20386816)
岩野 祐介 関西学院大学, 神学部, 教授 (20509921)
樋口 浩造 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30243140)
新田 智通 大谷大学, 文学部, 准教授 (40612891)
中野 良樹 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50310991)
上石 学 聖心女子大学, 文学部, 講師 (70349166)
相澤 伸依 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (80580860)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 哲学 / 倫理学 / 思想史 / 宗教学 / 心理学 / 表象文化研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究活動の中心となったのは、共同研究の成果公表としての論集の執筆・編集・刊行であった。これは直接には前期科研(平成27~29年度基盤研究(C)、課題名:「暴力」の多様な存在様態に関する領域横断的研究──「表現」概念との関連性を通じて)の研究成果になるが、しかし今期科研はそれとテーマ的・陣容的に連続したものであり、したがって今期科研の活動と成果報告としての性格も持っている。 2018年に入って各自による各章の執筆を本格化させ、春から初夏にかけて各章を脱稿、それを取りまとめて編集・校正を進め、2019年2月10日に晃洋書房より飯野勝己・樋口浩造編著『暴力をめぐる哲学』として刊行された。研究代表者・分担者計9名が1章ずつ執筆を担当した全9章に、研究代表者による序章を付した構成で、哲学・倫理学・思想史の各方面からの多様な切り口で暴力現象に迫るものである。 論集刊行後の2019年3月22日~23日、愛知県名古屋市のエキチカ会議室等を会場にして科研費による研究会を行った。執筆に参加した9名に加え、2名のゲスト(南山大学・佐藤啓介氏、京都大学・森川輝一氏)を迎え、論集の詳細な合評会を行うとともに、今後の共同研究の方向性等についての打ち合わせを行った。 その他、本研究に基づく学会ワークショップ(東北哲学会におけるワークショップ「「暴力の哲学」に向けて──暴力とは何か、いかにして回避されうるか」)をはじめとする研究発表や論文執筆、訳書の刊行等に各自が取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では2回の研究会開催を予定していたが、実際は年度末の1回となった。しかしこれは初回の開催を予定していた8~9月の時期が論集の編集・校正作業の佳境にあたったためで、研究会の開催は見送ったものの、ゲラ等を介した共同作業はきわめて活発に行われた。また、論集の製作と年度末の研究会を通じて、今期科研のテーマの方向性をある程度練り上げることができた。こうした点から、決して十全とは言い切れないものの、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は計画通りに2回の研究会を開催する予定である。前期科研からの連続性にあった論集の編集・刊行が完了したこともあり、新たな気持ちで今期の課題に取り組んでいく。今期の課題は、「暴力」という哲学・倫理学的テーマは継続しつつ、より「暴力の語りと表象」に特化するものである。その枠組みのもと、歴史の語り、文学、演劇、映画、報道等を題材にした研究発表や討議を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初年2回の研究会を計画していたが、うち夏季研究会は本研究の成果報告の一環としての共著論集の編集・校正作業の佳境にあたったため、開催を見送った。そのため、研究会開催は年度末の1回となった。また、研究分担者への分担金については、分担者によっては繁忙等によりあまり使用できない場合があった。以上の要因により、次年度使用額が生じた。次年度は予定通り研究会を2回開催し、また各自の研究も活発化させる予定である。
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Research Products
(24 results)