2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K00044
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
中村 隆文 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (40466727)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒューム / スコットランド啓蒙 / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は研究機関の中盤に該当するもので、最終年度にむけての資料収集、研究者間のネットワークの構築、執筆の準備期間にあてた。 2019年7月には国際ヒューム学会(Hume Scoiety)が主催するHume Conference 2019 in Nevadaに出席し、ヒューム研究の歴史的経緯や現在のトレンドなどを調査した。また、当研究の「共感」にかかわる、Byoungjae Kim (Durham University), "Sympathy and Reflection: The Antecedents of Conservatism in Hume's Philosophy"(Commentator: Mark G. Spencer (Brock University))の司会(chair person)を務め、最先端のヒューム研究の動向・成果をまとめるとともに、国際的なヒューム研究者たちと交流を深め、今後のワークショップなどの企画の下準備をおこなった。その調査成果を踏まえ、現在は英語論文を執筆しており、6月中にネイティヴチェックをかけ、その後、レフリー付きの学会誌に提出する予定である。 また、次年度(2020年11月)の日本法哲学会ワークショップ「法と感情」というセッションでも報告することが決定し、そのための準備をある程度整えている。2019年度末の時点においては、共感や道徳感情といったスコットランド啓蒙思想が法哲学に与えたインパクトや意義、そして、その限界などをまとめ、「法と感情」にかかわる英語文献をある程度は収集・分析した。本報告内容については、日本語報告用と同時進行で、英語報告用にまとめ、次年度にどこかで発表・投稿できるよう準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際ヒューム学会への参加、そこでの司会業務、各国の研究者とのネットワーク構築、英語論文の作成(未投稿)、次年度にむけての研究会の準備、とおおむね順調に進めてはきたが、年度末のコロナウイルスの影響で、国際学会の報告の機会がなくなり、国外研究者の招聘もできなくなってしまったことは次年度の計画に大きな障害となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には著名なヒューム研究者 Stanley Tweyman 教授(ヨーク大学)を招聘して日本で研究会を開催することを計画し調整中であるが、コロナウイルスの影響もあり2020年度での実現は困難であると予想される。そのため、本研究期間をさらに一年延長するかどうか検討中である。 また、延長する際には時間的余裕ができるので、現在作成中の英語論文を完成してどこかに投稿、掲載したのちに、それを批評してくれる海外の研究者を招聘して研究会を開催したい。
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Causes of Carryover |
所属先の変更などにより、国際学会や研究会に参加したり開催する時間がなくなり、その諸費用があまってしまったこと。また、購入予定であった書籍や資料が、費用をかけることなく入手可能となったことなどが大きな理由である。
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