2018 Fiscal Year Research-status Report
戦後期青森県地域におけるカトリックの宣教と受容に関する調査研究
Project/Area Number |
18K00078
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Research Institution | 八戸学院大学 |
Principal Investigator |
木鎌 耕一郎 八戸学院大学, 健康医療学部, 教授 (90295965)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カトリック教会 / パリ外国宣教会 / ケベック外国宣教会 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のキリスト教宣教・受容史の研究対象は、日本とキリスト教が出会った三回の顕著な時期がある。すなわち第一に16・17世紀のキリシタン時代、第二に幕末から明治期以降の戦前期、第三に太平洋戦争終結からの戦後期である。 一般的な研究対象地域は、キリシタンに関しては、主に宣教師の入り口である九州諸地域から、当時の政治の中心地である京阪地方が中心である。明治期(戦前期)に関しては、主に「開港地」とその周辺地域が一般的な研究対象地域となっている。戦後期に関しては広い地域に研究対象は分散するが、青森県地域に関しては、一部に学校史や施設史といった関連研究が散見されるものの、まとまった研究はない。本研究は、地域的特性(辺境性、貧困)の視点に基づいてキリスト教の「教化・定着過程」と「受容状況」について具体的な実態を調査するものである。 2018年度は主に資料収集とその読み込みに費やした。戦後期を見るに当たっては、明治期から戦前期の宣教の動向を含めた広い視野が必要となるため、広範囲にわたる資料の検証が必要である。とりわけパリ外国宣教会が担っていた明治期以降の宣教については、当時の西洋の状況(第一バチカン公会議、教皇至上主義、フランスにおける政治状況とカトリック教会の対応など)との関わりを知ることが重要と考え、それに関わる資料収集につとめた。また戦後期におけるカトリック教会の教勢に関するデータの収集にもつとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は主に資料収集とその読み込みに費やした。当初はケベック外国宣教会の宣教司牧活動に関する資料収集・調査をケベックを訪問して行う予定であったが、下準備を進めるにつれ、これらの調査を推進するためには、明治期から戦前期の宣教の動向を含めた広い視野が必要となるたことを実感し、ケベックでの調査は次年度以降にまわし、広範囲にわたる資料の検証を優先することにした。とりわけパリ外国宣教会が担っていた明治期以降の宣教については、当時の西洋の状況(第一バチカン公会議、教皇至上主義、フランスにおける政治状況とカトリック教会の対応など)との関わりを知ることが重要と考え、それに関わる資料収集につとめた。また戦後期におけるカトリック教会の教勢に関するデータの収集にもつとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、引き続き資料収集とその読み込みを行なうとともに、調査の進捗を論文化していく予定である。その上で、ケベック外国宣教会の宣教司牧活動に関する資料収集・調査をケベックを訪問して行う時期を見極めたい。当面は、戦後期に限定することなく、明治期から戦前期の宣教の動向を含め、広い範囲の調査を継続していく。
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Causes of Carryover |
2018年度は当初の予定では、ケベック外国宣教会の宣教司牧活動に関する資料収集・調査を実際にケベックを訪問して行うつもりであったが、下準備を進める段階で、より広範囲な文献による資料収集・調査が必要であることがわかったため、主に文献の収集と読み込みに費やした。海外調査の旅費として考えていた費用を、次年度以降にまわすことになったため、次年度使用額が生じた次第である。
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