2020 Fiscal Year Research-status Report
ミシェル・フーコー「コレージュ・ド・フランス講義」総体の理論的・思想史的研究
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18K00095
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 吉幸 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90420075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西迫 大祐 沖縄国際大学, 法学部, 准教授 (10712317)
箱田 徹 天理大学, 人間学部, 准教授 (40570156)
坂本 尚志 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (60635142)
藤田 公二郎 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (60792075)
相澤 伸依 東京経済大学, 全学共通教育センター, 准教授 (80580860)
武田 宙也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (80768268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミシェル・フーコー / コレージュ・ド・フランス講義 / 哲学 / 権力理論 / 科学認識論 / 法哲学 / 倫理学 / 美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、共同研究成果として2冊の成果論集を刊行した。 一つは『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』(佐藤嘉幸・立木康介編、水声社)で、フーコーがコレージュ講義で展開した問題系を、年代順に論じたものである。関係論文:武田宙也「フーコーにおける「狂気」の言語の問題:後期思想との関連から」、佐藤嘉幸「国家装置から権力諸装置=配備へ:フーコー『刑罰の理論と制度』、『処罰社会』をめぐって」、相澤伸依「懲罰社会のその先へ:フーコー『懲罰社会』をめぐる一考察」、箱田徹「人民の回帰?:フーコー戦争論のポテンシャリティ」、藤田公二郎「生命的-主権的複合体:フーコーの人文科学批判の射程」、西迫大祐「生政治と予防接種」、坂本尚志「規範化される生から規範をつくる生へ:カンギレムと八〇年代のフーコー」 もう一つは、本科研費共同研究のメンバー全員が所属する、京都大学人文科学研究所「フーコー研究」の成果報告書『フーコー研究』(小泉義之・立木康介編、岩波書店)である。本書は、人文科学を刷新したフーコー思想の総体を、テーマ別に論じたものである。関係論文:西迫大祐「配慮と不安を遠ざけるもの:『安全・領土・人口』におけるセキュリティについて」、坂本尚志「言説、科学、イデオロギー:「セクシュアリテの考古学」から「セクシュアリテの系譜学」へ」、武田宙也「フーコーと現代性の美学:「そうであるのとは違うように想像すること」をめぐって」、相澤伸依「フランスの中絶解放運動とフーコー:GISの活動から」、佐藤嘉幸「生権力/生政治とは何か:レイシズム、自由主義、新自由主義」、箱田徹「真理体制概念からアナーキーな権力分析へ:フーコー新自由主義論をめぐる論争を超えて」 また、マウリツィオ・ラッツアラート、オラツィオ・イレラ氏を招聘して、国際シンポジウム「現在性におけるフーコー:イタリア学派の視点から」を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果報告として、上記のような二つの論集を出版することができた。共同研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、おおむね個人研究に重点を移し、各自の視点から本共同研究の成果をまとめることとする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、予定していた外国人研究者を招聘することができなかったため、旅費を使用できなかった。開催予定のシンポジウムは、オンラインでの国際シンポジウムに切り替えて実施した。残額は、主として個人研究のために使用する。
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Research Products
(14 results)