2018 Fiscal Year Research-status Report
欧米優生学説の成立の背景と日本社会への輸入の際の取捨選択に関する研究
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18K00106
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
本多 創史 東日本国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40528361)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 優生学 / 遺伝学 / 思想史 / 近代日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
校務多忙のため、科研費を用いた調査はほとんどおこなうことができなかった。唯一の研究成果は、「優生学説の選択―海野幸徳『日本人種改造論』精読―」『生物学史研究』第98号、2019年2月である。 海野幸徳は近代日本社会に体系的な形で優生学を紹介した人物である。したがって、彼のテクストを精読する作業は不可欠である。まず、下準備として子孫にあたるかたに聞き取り調査をおこなった。最大の成果は海野幸徳の外国語力について情報を得ることができたことである。次に、海野幸徳の『日本人種改造論』に掲載されている外国語文献を入手した。さらにそれらのうち重要と考えられるものを数点精読し、海野のテクストと比較した。そして海野の読解の仕方にはどのような特質があるのかをあきらかにした。これらの作業を通じて海野幸徳のテクストのオリジナリティをあきらかにすることができた。それらを冒頭の論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会福祉学科長、教務部長等、複数の校務を兼務することとなり、研究に割く時間が取れなかったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は校務多忙のため研究に従事することができなかった。しかし平成31年度および令和元年度は研究に従事する十分な環境が整ったので、研究に邁進する予定である。 具体的には、加藤弘之、井上哲次郎、永井潜など19世紀から20世紀初頭の日本において哲学の仕事をおこなった学者の著作を比較検討し、彼らの人間観、身体観を明らかにする作業をおこないたい。
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Causes of Carryover |
前年度、校務多忙のため科研費をもちいた研究をおこなうことができなかった。そのため、次年度において研究をおこなうこととした。 研究計画は修正が必要であるが、研究をおこなう環境が整ったため、前年度分を取り戻すことは可能であると思われる。具体的には前年度予定分と次年度予定分とをあわせて遂行する予定である。
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Research Products
(1 results)