2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of piano performance and its teaching method from Taisho to the early Showa period: Focusing on Kiyohide SONODA
Project/Area Number |
18K00124
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
山下 薫子 (坂田薫子) 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90283324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 万里子 和洋女子大学, 人文学部, 助教 (30803689)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 園田清秀 / ピアノ指導法 / 西洋音楽受容史 / 音楽教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、園田清秀(1903-1935)とその息子でピアニストの高弘(1928-2004)の遺した史資料を中心に置き、これを音楽学及び音楽教育学の視点から吟味することによって、大正期から昭和初期における日本のピアノ演奏法や指導法がどのように発展したのか,その一端を明らかにすることにある。 研究期間の最終年度にあたる令和3年度には、主として以下の点について口頭発表と論文発表を行った。①これまで詳らかにされてこなかった清秀の演奏歴を、新たに入手した資料に基づいて明らかにした。②雑誌『婦人之友』の記事および自由学園音楽グループのパンフレット(1937)に基づいて、清秀の創案した絶対音音楽早教育の具体的な内容を検討した。③留学先のパリで当時行われていたソルフェージュの実態や、師事したとされるカサドシュ(Robert Casadesus, 1899-1972)の指導の特徴について考察した。さらに、清秀の関係者にあたる人物を探し出して聞き取り調査を行い、指導法の創案と発展の背景について証言を得るとともに、清秀の子孫の協力を得ながら、東京藝大の音楽総合研究センターに収められた写真資料の特定を行い、清秀資料の一覧を作成して公表した。 研究期間全体を通じて、史資料の吟味と一次資料との照合を進め、先行研究における清秀の基本情報の誤謬を正した。そして、彼が様々な人物の協力を得ながら、幼児のための音楽教育のあるべき姿を追究し続け、実証的な成果を挙げていたことを明らかにした。これにより、清秀の功績を、絶対音感指導の提唱者としてのみならず、ピアノ指導法の開拓者の一人として、日本の西洋音楽受容史の中に、正当に位置付けることができたと考えるものである。
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Research Products
(4 results)