2019 Fiscal Year Research-status Report
How to make public buildings where local residents have attachment Clarification of the phenomenological space theory of Tomoya Masuda and Toyokazu Watanabe
Project/Area Number |
18K00230
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長岡 大樹 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 助教 (20456403)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 渡辺豊和 / 増田友也 / 公共建築 / 現象学 / 鳴門市 / 共同幻想 |
Outline of Annual Research Achievements |
増田友也が設計した公共建築(特に徳島県鳴門市の公共建築)を対象に、地域住民が愛着をもつ公共建築のつくり方について研究した。特に立地環境の中での「建築風景の有り様」について考察し、考察したいずれの建物も、複数設けられた中庭の構成に特色がみられた。その結果は以下の論文にまとめた。『中庭のある学校風景(連載 鳴門の建築遺産を考える ♯6)』『文化的な生活環境を求めて(連載 鳴門の建築遺産を考える ♯7)』『増田友也が設計した鳴門市の公共施設群について』。また増田設計の建物(赤のれん・鳴門中学校等)の現地調査を行い、増田の活動年譜(建築作品・著作リスト)を充実させた。 渡辺豊和(計21回)と宮坂氏(計1回)を対象に、聞取り調査を実施し、口述記録を作成した(宮坂氏は渡辺と共同で建物1棟を企画した人物)。地域住民が愛着をもつ公共建築のつくり方として、建設地に伝わる「伝説・神話・昔話」を手がかりにして、地域の人々の建築欲求や先祖伝来の夢、すなわち「共同幻想」をくみとり、建築の形に置き換える、渡辺特有の設計法の一部を明らかにした。 以下の建物を対象に現地調査を実施した。対馬豊玉町文化の郷・渡辺通1丁目再開発・餓鬼舎・上湧別町立郷土博物館・サンツモリビル(以上渡辺設計)、三輪山・真脇遺跡(以上渡辺ゆかりの地)、赤のれん・鳴門中学校・鳴門第二中学校・鳴門市文化会館・鳴門市老人福祉センター・鳴門市勤労青少年ホーム(以上増田設計)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画どおり2019年度は、増田友也による公共建築のつくり方を中心に研究を行った。ただし渡辺への聞取り調査を充実させたぶん、京都大学増田研究室の関係者への聞き取りが十分行えなかった(聞取りは次年度行う)。結果、当初計画していたほど増田の活動年譜を充実させることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
原則、当初計画に則って研究を推進する。2020年度は、渡辺豊和が考案した「地域住民が愛着をもつ公共建築のつくり方」を誰もが使えるよう一般化・普遍化する。また増田友也と渡辺の現象学的空間論を解明する。
|
Causes of Carryover |
本年度予定していた聞取り調査および現地調査を次年度に実施するため。
|
Research Products
(4 results)