2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study of resistance to cultural translation regarding the spatial frame of the Empire of Japan and people who lacked literacy
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18K00294
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高 榮蘭 日本大学, 文理学部, 教授 (30579107)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 冷戦 / 検閲 / 出版 / 帝国日本 / 図書館 / 非識字 / 東アジア / 植民地朝鮮 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる2020年度は、これまでの研究成果を発表するための単行本の執筆に力を入れた。現在、出版社も決まっており、2021年度末刊行を目指して執筆を進めている。また、昨年度に引き続き、シカゴ大学のKyeong-Hee Choi教授と、週に1回、Zoomを利用し、共著を執筆しながら議論を深めている。英語・日本語・韓国語での同時出版を目指している。帝国日本における差別的な空間政治の問題について考える際、検閲の問題は避けてとおれない。シカゴ大学はよく知られている通り、日本の占領期検閲研究に大きな貢献をした、奥泉栄三郎が主任司書を務め、東アジアの検閲資料を多く保有している。Kyeong-Hee Choi氏は、奥泉氏とともにシカゴ大学における朝鮮関連のコレクションの充実化を図ってきた。シカゴ大学の蔵書の形成について調査する過程で、連合軍による日本占領だけではなく、韓国と沖縄における米軍基地の問題がアメリカの主要図書館の空間編成と深い関わりがあることに気づいたことは大きな収穫であった。韓国圓光大学の金ジェヨンさんとは、日中戦争期と冷戦時代の東アジアにおけるアメリカと日本の役割に関する二つの共同研究プロジェクトを運用し、2020年度もそれぞれ2回目の国際会議を行なった。韓国・中国・ベトナム・台湾の研究者たちと共同研究を行いながら、日本帝国の記憶と空間フレームがどのような形でそれぞれの地域に介在していたのかについて明らかにする作業を進めている。その他、韓国日本学会とAASにパネルで参加し、研究成果を発表した。韓国キョンヒ大学沖縄研究所と共催で三つの連続講演会を企画した。
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Research Products
(14 results)