2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Study on Showa-bon of the Edo Period
Project/Area Number |
18K00300
|
Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
島田 大助 安田女子大学, 文学部, 教授 (50351177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 孝弘 清泉女子大学, 文学部, 教授 (40255956)
山口 満 豊橋創造大学, 経営学部, 教授 (60413762)
藤井 史果 富山大学, 人文学部, 講師 (20828868)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 笑話本 / 浮世草子 / 新笑話本書目年表 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、文政から弘化に刊行された笑話本について調査を行った。また、2021年度までに調査を行った笑話本についても再度確認した。笑話本の画像については、インターネット上で画像が公開されている資料を中心に収集した。 浮世草子の笑話性については、天和から安永までの作品を調査し、42作品に笑話性があることを確認した。荻坊奥露作『三千世界色修行』では、蘇生が笑いの道具となっていることを指摘した(「近世前期怪異小説における蘇生譚の諸相」)。 刊行年未詳等の笑話本について検討した。『落噺京鹿子』は、国書データベース等に書誌情報の記載はあるものの、刊行年については未詳とされる作品である。絵題簽、既存笑話の利用状況、挿絵に記される「丁酉」等の文字の検討から、『落噺京鹿子』の刊行年が安永6年であることを明らかにした(「『落噺京鹿子』刊年考─既存笑話の利用、絵題簽、挿絵を手がかりにして─」)。国立国会図書館蔵『心能春雨噺』(安永8年刊行)下巻4丁目は、国立国会図書館蔵『初笑福徳噺』(安永5年刊行)下巻5丁目に利用されている。両書が初版本であれば、『初笑福徳噺』に『心能春雨噺』の笑話が収められることはありえない。国立国会図書館蔵『初笑福徳噺』が再版本である可能性、あるいは、諸書目年表に記載されている両書の刊行年について再検討が必要であることを指摘した。『新落噺初鰹』(安永5年刊行)については、『小噺再度目見得』『黄表紙總覽』に記載される内容に誤りがあることを指摘した上で、該書が国立国会図書館に所蔵されていることを報告した(「日本の笑話本と東アジアの笑話本 ―絵の用い方の注目して―)。 笑話の表現方法については、十返舎一九の噺本を分析し報告した(「十返舎一九の噺本にみる表現手法」)。 2022年度は、以上の研究を行った。「新笑話本書目年表」の研究成果については、Webページで公開する。
|
Research Products
(5 results)