2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Study of the Kashima Family Materials in Usuki City
Project/Area Number |
18K00323
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
鈴木 元 熊本県立大学, 文学部, 教授 (40305834)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 加島英国 / 長崎道中日記 / 臼杵博識誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間最終年度には、当初予定のとおり臼杵市加島家資料の目録(『臼杵市教育委員会所蔵「加島家資料」目録』)を完成し、目録形式に関して範とした「臼杵藩政史料調査報告書」に倣い、関係自治体、文化施設に送付し、加えて大学等研究機関への送付も終えた。目録の内容は、「はじめに」に始まり、解題編として拙稿「加島家資料の認定をめぐる諸問題」、続く目録編では典籍・文書・諸資料に分け、加島家資料として伝来している資料群の書誌情報を一覧とした。加えて資料編として研究協力者湯谷祐三氏の「加島英国(吐洲)宛黄花庵升六書簡の翻刻と解題(翻刻篇)」を付した。当該の翻刻篇は昨年度刊行の湯谷祐三氏「加島英国(吐洲)宛黄花庵升六書簡の翻刻と解題―都市の俳諧宗匠と地方俳人の関係―(解題篇)」(熊本県立大学『国文研究』第67号と対をなすものである。 また、こちらも研究協力者德岡涼氏による資料紹介「紹介・臼杵市文化財管理センター蔵『長崎道中日記』(四)」を『熊本県立大学文学部紀要』通巻83号に掲載した。これにより同名資料の翻刻紹介は完了した。 研究期間全体を通じて、江戸時代末期の臼杵という一地方において、必ずしも知名度の高くない一文化人がどのような知的営みを展開していたか、それを寄贈書目録の形で一端なりとも明かにできたことを成果として報告しておきたい。従来、郷土史家により部分的には報告がなされてきた事実ではあるけれども、加島家からの寄贈書・寄贈品の目録としてゆかりの品が一望できるようになったことで、さらなる研究の進展が期待される。 なお、最終年度の調査により判明した、加島英国『臼杵博識誌』をめぐる問題については、追って解題・資料紹介の形で報告の予定である。
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Research Products
(2 results)