2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and evaluation of Orikuchi Shinobu former storage material for literature study and material studies of contemporary literature utilizing the results
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18K00342
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 博明 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 教授 (20310146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 則夫 國學院大學, 文学部, 教授 (10286669)
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
庄司 達也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60275998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 折口信夫 / 資料整理・解読・評価 / 資料研究 / データベース化 / 同時代文学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、折口信夫手帳の解読と文字起こし(ワードへのデジタル化),未整理資料の整理と解読,「手帖」「受取書簡資料」「自筆資料」など複数の折口資料データベースの基本完成、実際の資料との最終突合,他の研究グループとの共同勉強会の開催,同時代文学者との関わり・影響関係の評価を目途とし,成果を出した。 石川則夫(研究分担者)と斎藤樹里(研究協力者)は,「折口文庫(折口信夫旧蔵図書)」内にある同時代文学者からの献呈書籍の調査を継続, 基本データベースを作成した。加えて3グループ合同公開勉強会(オンライン,2020/7/25)において「折口信夫宛献呈本の調査報告 ―室生犀星献呈本を中心に」として発表を行った。庄司達也は「同時代文学研究」「資料研究」に関して調査研究を進め, 「大阪毎日新聞社と菊池寛,芥川龍之介」(3研究グループ合同第2回公開勉強会、2021/1/31)「芥川龍之介「伝」・「年譜」考 ―太宰治、ストラヴィンスキー、モーパッサンに関わる「記述」をめぐる課題」(国際芥川龍之介学会ISAS, 2020)を発表、「芥川龍之介の書簡―「文壇」という大海へ 青年作家の夢と野望」(三和新聞 691号 2021/3/10日), 「二字の伏せ字 戦時下での或る編集者の仕事」(国文学言語と文芸、136、2021/2月)などを掲載した。松本博明は「折口信夫手帖」「折口信夫受取書簡」「折口信夫自筆資料」の各データベース作成をほぼ完了。折口信夫手帖すべての文字起こしを終了, 内60冊についてはワード文書化した。これらのDBを活用して「折口信夫自著を献呈する」(3研究グループ合同第2回公開勉強 2021/1/31・『岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集第23号,2021/3),「折口信夫の民俗・芸能調査 ―新出資料の紹介とともに」(盛岡大学日本文学会誌 33号 2021/3)等を発表掲載。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は折口信夫手帳の解読と文字起こし(ワードへのデジタル化),未整理資料の整理と解読,「受取書簡資料データベース」「自筆資料データベース」など複数のデータベースの骨格完成、実際の資料との最終突合,他の研究グループとの共同勉強会の開催、同時代文学者とのかかわりと影響関係の評価,これらの成果を発表することを目途とし,成果を出した。 「折口信夫手帖」の整理とデータベース化はほぼ完了し,現物との突合のみを残している。文字起こしについては,ほぼ全ての文字起こしを完了,60冊の内容をワード文書としてデジタル化した。今後公開を目指す。 「受取書簡データベース」は未整理分を除いて入力を完了,こちらも折口博士記念古代研究所が所蔵する現物書簡との突合作業を残すのみとなった。ほぼ100%の入力が完了したことで,複合検索が可能になっている。今後はこのプラットフォームを基盤に,必要項目を増やした改訂版の作成にかかっている。「折口信夫自筆資料データベース」は、未解読、未整理の断簡,未定稿などをを除いた資料のデータ入力が完了し、現状の状態での複合検索が可能になっている。こちらも,折口博士記念古代研究所所蔵の現物資料との突合が残されている。 「折口文庫所蔵目録(データベース)」については,石川則夫(研究分担者)斎藤樹里(研究協力者)による献呈本調査結果をデータベースに反映して修正する作業が残っているが,ほぼ検索が可能な状態に達している。最終的な確認作業を残している。 しかし,上記のような、進捗を見たものの新型コロナウイルスの感染拡大によって,各地への調査出張がほぼ不可能になり,現物資料との突合,データの確認調査、研究会の開催などに大きな支障をきたした。また,対面授業が行えない状況から院生学生を活用した作業が行えないなど研究推進が阻害された。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めている折口信夫関連資料データベースの完成を目指す。そのためには研究代表者が保存、使用している複写物ではなく,國學院大學が所蔵する現物との突合,確認作業が不可欠である。突合,確認作業を終えたものから,しかるべき形でデータベースの公開を行っていく。また、データベースを活用した同時代文学研究の方法化,実体化をさらにおし進めるために,データベース活用の基礎研究を推し進める。それを目的とした研究グループの体制構築を行うとともに、新たな方法論の確立のための研究を行っていく。また,データベースとデジタル化した資料については,公開方法を模索したうえで実行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により,第一に研究調査及び学会発表を目的とした予算がほぼ全額執行できなかったこと,第二に対面授業がオンライン授業に変更されたために,院生や学生アルバイトへのデータ整理や入力依頼が事実上不可能になったことによって執行残が生じたことが原因である。 次年度は,前半期においては研究調査出張に充当する経費を減じて、手元にある資料を重点的に調査検討することにするとともに、アルバイトなどの有効的な任用によって、コロナ禍での効果的な経費執行を目指したい。また,後半期においてはワクチンによる感染者の減少を想定し,調査出張に関しても応分の予算を確保しておきたい。
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Research Products
(9 results)