2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis and evaluation of Orikuchi Shinobu former storage material for literature study and material studies of contemporary literature utilizing the results
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18K00342
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 博明 岩手県立大学, その他部局等, 特命教授 (20310146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 則夫 國學院大學, 文学部, 教授 (10286669)
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
庄司 達也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60275998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 折口信夫旧蔵資料 / 資料解読・評価 / 資料データベース作成 / 折口資料と同時代文学 / 同時代文学研究の推進 / 芥川龍之介 / 室生犀星 |
Outline of Annual Research Achievements |
「折口信夫手帖」の解読と文字起こし(デジタル化)、未整理資料の整理と解読、「受取書簡資料データベース」「自筆資料データベース」など複数のデータベースの骨格の完成、他の研究グループとの共同勉強会の開催(オンライン)、同時代文学者との影響関係の評価など、コロナ禍における研究環境の悪化の中で粛々と行った。今年度は「折口信夫手帖」の整理とデータベース化はほぼ完し、現物との突合のみを残している。文字起こしについてはほぼ全て完了、60冊分ををワード文書としてデジタル化した。来年度以降、研究費を獲得して刊行を目指す。 「受取書簡データベース」は未整理分を除いて入力を完了。こちらも折口博士記念古代研究所が所蔵する現物書簡との突合作業を残すのみとなっている。その突合作業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、閲覧が不可能となり、次回の機会を待つことになるが、ほぼ100%の入力が完了したことで、複合検索が可能な状態にしてある。今後はこのプラットフォームを基盤に、必要項目を増やした改訂版の作成に着手している。 「折口信夫自筆資料データベース」は、未解読、未整理の断簡,未定稿などをを除いた資料のデータ入力が完了し、現状の状態での複合検索が可能な状態にしてある。こちらも、折口博士記念古代研究所所蔵の現物資料との突合が残されている。突合を終えたのちは、データベースとして公開を予定している。(令和4年度ないしは5年度) 研究分担者の石川則夫と研究協力者の齋藤樹里は、國學院大學の教員・院生であることから、学部に所蔵する折口文庫内の献呈署名図書に関して、コロナ下においても調査をすすめ、室生犀星宛献呈署名本の分析について、論文執筆に至るまでの十分な成果を蓄積した。 「折口文庫所蔵目録(データベース)」については、一部修正作業を終え、完成状態になっている。内容の再確認を終えて、今年度中に公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイル氏の感染拡大によって、交通機関の停滞、資料館などの休館、入場制限、大学での対面授業・会議・打ち合わせの禁止、オンライン化によって、研究環境が著しく損なわれ、本年度は多くの研究現場において、研究調査の禁止、閲覧不能、対面調査の不能などの事態に見舞われた。メールおよびオンラインにおける会議は逐次行ってきたが、状況が進展することはほぼなく、今年度は巣篭りの状態で研究を進める以外に方法を見出せなかった。そのため、今年度に行った内容は、研究室における資料の解読とデータ整理、こうした成果を持ち寄り勉強会を行うなどに限られ、当初の目標から遅れる事態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
従前のコロナ蔓延下における研究の実態を体験したことから、緊急事態になった際の具体的な取り組み方を獲得した。今後不測の事態が出来した場合、その状況を冷静に見つめ、対応策を慎重に考えながら、研究の遅れ、調査の不能などのデメリットをできるだけ少なくする手法をもって研究を推進する。このことについては、研究分担者同士で共有する。 そのために、身近にある資料分析、評価、データベース作りを今年調査、研究のの中心に置き、それらから最大限の成果を抽出するような効果的な時間と距離の使い方を試行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大による政府、都道府県などの指示、要請によって、外出、面談会議、集合しての作業などが大幅に制限された。このため、出張調査、人員を集めてのデータ解析と入力、加えて研究発表機会などの研究作業が大きく阻害された。こうした事態によって、研究調査が大幅に滞ったことが理由である。令和4年度は、令和3年度の状況を総括しつつ、研究計画を充分に吟味したうえで、コロナ感染状況などの社会状況をにらみながら効率的な調査計画を柔軟に変えつつ、研究計画をを進めていゆきたい。
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Research Products
(2 results)