2023 Fiscal Year Annual Research Report
Their Bloody Projects: Violence and Identity in Fiction by Muriel Spark and Other Writers
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18K00411
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
澤田 知香子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00456493)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミュリエル・スパーク / (女性の)アイデンティティ / ジェンダー / 身体 / (流)血とバイオレンス / ポストモダニズム / 声と語り / 老い |
Outline of Annual Research Achievements |
20世紀を代表する作家の一人ミュリエル・スパークについて、広いパースペクティブでの研究を推し進め、英文学研究への貢献を目指した。日本人研究者としてのグローバルな視座という点で、現代スコットランドおよびカナダ文学、日本文学へも視野を広げた。ポストモダニズム理論等に照らし、継続的かつ発展的に自己構築をめぐる問題を論じ、「(流)血とバイオレンス」という独自のテーマで議論を深めた。 2023年度の成果としては、「女性の身体」、「老い」と「語り」のテーマでマーガレット・アトウッドの『ストーン・マットレス』を取り上げ、スパークとの比較も交えて「Stone Mattressにおけるゴーストの声:老いの現実と語りの間で」を執筆した。「バイオレンス」や「身体」のテーマでは、現在活躍中のカナダ人作家Alexander MacLeodの著書についても発表を行い、 “Alexander MacLeod's Stories: Genius Loci in the Dark and in Decline”を発表した。 2023年度はスコットランド国立図書館でのスパーク・アーカイブ調査を再開でき、包括的スパーク研究が軌道に戻った。現代イギリス作家を取り上げる学術書シリーズ刊行企画のスパークの巻執筆の依頼を受けたこともあり、研究成果を反映していく予定である。研究の独自性を高める試みとして、スパークの小説と共通のテーマを持つ、2013年芥川賞受賞の藤野可織氏の短編小説などを取り上げ、同氏に取材を行った。さらに、同氏を招いて学生のための講演を開催するなど、成果を教育の場にも還元した。本研究期間中、他にも、日本文学・文化に通じ、詩人としてだけではなく小説家・脚本家として活躍し、文学賞審査などに携わっているKevin MacNeil氏(英国・スターリング大学)を招聘し、学生のための講演やインタビューを実施した。
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Research Products
(1 results)