2019 Fiscal Year Research-status Report
太平洋横断的ヴェトナム系アメリカ文化研究の構築にむけてー難民文化の再越境と変容
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18K00435
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
麻生 享志 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80286434)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベトナム系アメリカ文学 / ベトナム系アメリカ文化 / リトルサイゴン / ミス・サイゴン / アジア系アメリカ文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究は単著『リトルサイゴン』の執筆を念頭に、海外から講師の招聘を行うとともに、アメリカ合衆国での現地調査・資料収集等を軸に計画し実施した。詳細は以下の通り。 1.[招聘講師ー単著『リトルサイゴン』執筆のための意見交換等のため] 2019年7月Professor Viet Le (California College of Arts)招聘:1)早稲田大学での授業、および公開講演;アジア系アメリカ文学研究会における講演. 2.[出張(2019年8月アメリカ合衆国)ー単著『リトルサイゴン』執筆のための現地調査・資料収集等のため] :1)Professor Viet Le (California College of Arts) との意見交換;2)Orange County Museum of Art 視察("Uudam Tran Nguyen: TIME BOOMERANG California Edition of S.E.A. Sea Atolls to the Next Dead Stars");3)Black Umbrella Tattoo and Art Gallery 視察(Vietnamese American Association of Literature and Art, "Illuminated Recipes: Cravings, Customs, & Comforts"). 3.[インタビュー記事掲載] “The ‘Love Bang!’ Trilogy and the Return of Art and Empire: An Interview with Viet Le.” AALA Journal No.25 (2019): 104-17. 2019年7月に招聘した Viet Le のインタビューをまとめ、アジア系アメリカ文学研究会『ジャーナル』に掲載した。 4.[出版準備:単著] 1)『ミスサイゴンの世界―戦禍のベトナムをくぐり抜けて』(小鳥遊書房2020年4月予定)の入校・校正を完了した;2)『リトルサイゴン―ベトナム系アメリカ文化の現在』(彩流社2020年9月予定)執筆を終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. [招聘講師] 1)2019年7月に当初の予定どおりCalifornia College of Artsで教鞭をとるメデイア芸術家 Viet Le 氏を招聘し、早稲田大学およびアジア系アメリカ文学研究会において講演を実施した。また、その際に収録したインタビューをアジア系アメリカ文学研究会ジャーナルに掲載した;2)2020年3月に予定していた海外からの招聘講師については、新型肺炎の影響からとりやめた。 2. [出張] 2019年8月に予定どおりアメリカ合衆国への出張を行い、ロサンゼルス地域において、単著『リトルサイゴン』執筆に必要な現地調査・資料収集を実施した。 3. [出版] 1)単著『リトルサイゴン』の出版に向けて、原稿執筆を終えた。2020年度早々には出版社に入稿の予定;2)当初予定していなかった単著『ミス・サイゴンの世界』を執筆することになり、2019年度内に入校、最終校正まで終了した。 総じて、2020年3月に予定していた招聘講師による講演等の計画中止はあったものの、その時間等を活かし、当初計画になかった単著『ミス・サイゴンの世界』の出版準備を完了するなど、計画以上の研究成果が上がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. [出版] 1)2020年4月単著『ミス・サイゴン』を出版予定;2)2020年9月単著『リトルサイゴン』を出版予定。 2. [招聘講師] 2020年6月に内定していた University of California, Irvine で教鞭をとるベトナム系アメリカ文化および難民学研究者 Long T. Bui の招聘(早稲田大学での公開講演、アジア系アメリカ文学研究会における講演等)を、新型肺炎蔓延の影響から現在見直している。今年度中に再計画できるか否かは、日米両国やそれ以外の各地域における感染状況による。 3. [出張] 毎年夏に計画しているベトナム系コミュニティでの現地調査・資料収集だが、本年度は新型肺炎蔓延の影響から実施が難しい状況である。代替案等について現在検討中。 4. [学会活動等] 当初予定していたアジア系アメリカ文学研究会等における招聘研究者による講演は、新型肺炎蔓延の影響から延期となっている。今後の計画については現在検討中。 5. [その他] 新型肺炎蔓延の影響から、本年度の研究計画は出版を除き大幅な修正を余儀なくされている。出版についても、今後の状況推移によっては多少の遅れが見込まれる。現状においてできることを見つけ、可能な範囲で研究を継続する予定。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定していた海外からの講師招聘について、新型肺炎蔓延の影響から断念したことから予算に余りが生じた。状況が好転すれば2020年度に改めて計画・実施する予定だが、見通しは厳しく、場合によっては本研究計画の実施期間を2021年度以降に延長することや、予算の組み替えも視野に入れて2020年度計画を立てている。
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Research Products
(5 results)