2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigating the indexical shift mechanism and its interaction with the syntax and pragmatics interface
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18K00540
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
森田 久司 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (30381742)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 指標表現 / 敬体 / 丁寧語 / 補助動詞 / 間接引用 / 時制 / 再帰代名詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
話し手が変わると指示対象物が変わる指標表現について、「わたし」、「あなた」、「ここ」といった代名詞に限らず、今まで見落とされがちだった、『話し手』に対する敬意を表する、「です」、「ます」といった敬体や丁寧語を考察の対象に含め、指標表現の新たな分類方法を提案し、それぞれの指標決定メカニズムを明らかにすることを本研究では目的としている。 2018年度は初年度で、共同で研究しているノルウェーのトロムソ大学のGillian Ramchand教授と新提案の基本構想の具体化・緻密化を行った。科研申請書に書いた通り、「~です」、「~そう」、「~てしまう」、「~てくれる」といった指標表現と「来る」、「~てあげる・やる」などの視点を含意する表現は、今まで一緒(特に、「~てくれる」と「~てあげる」など)にされることが多かったが、埋め込み節の解釈という点から、区別すべきであると述べてきたし、そこの修正を伴わない。しかし、ある条件で、両者が同様な振る舞いをすることがあり、その条件を含むデータをもとに、メカニズムの設計を行ってしまったため、首尾一貫した理論を構築することができず、他言語をもとにして発表された指標表現についての論文との整合性もうまく図ることができなかった。また、お互いに忙しいこともあり、研究初期は停滞した感がある。しかしながら、上記の特殊条件を明確化し、言語データを精査することにより、より説明力の高い提案ができるようになった。したがって、当該年度終盤にかけて内容がかなり固まってきた。共同での発表はまだであるが(個別では行っている)、論文の執筆は始まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初期の頃、データの解釈に誤りがあり、また、大学業務(教務委員長など)の多忙さもあり、業績という点ではまだ何も残せていないが、研究内容としては、基本的な方向性は維持しつつも、詳細な点について適宜修正をしながら、前進している。具体的に、論文執筆をしながら、2019年度の学会発表に向けて、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
提案の精緻化についてもう少し改良の余地があるので、2019年度はそれを行いつつ、国際的な学会(sinn und bedeutungなど)での発表を目指しつつ、論文の執筆も進める。また、本研究により得られた知見を時制・再帰代名詞「自分」の解釈にも応用できるかどうかを見極める。
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Causes of Carryover |
少額端数のため。
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Research Products
(3 results)