2023 Fiscal Year Annual Research Report
Focus marking and information structure in G|ui
Project/Area Number |
18K00582
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
大野 仁美 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70245273)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 談話文法 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である今年度は、20年度以降感染症拡大のために中断していた現地調査を実施し、以下に述べるガナ語のテキストを新規に収集することができた。今年度を含め、研究期間全体を通じて以下のように研究を進め、成果を得ることができた。 (1)テキストの収集・トランスクリプションと、それによる分析用コーパスの拡大:現地調査によって新規に収集したテキストに加え、現地調査の実施ができない期間についてはすでに収集ずみの音声資料のテキスト化・コーパス化を進めた。 (2)ガナ語の文法分析:これまでガナ語に関する知見は、グイ語とコミュニティを共有し多くの文法的特徴を有するガナ語方言のものに限られていたが、研究期間中に、グイ語化の度合いが少なく、よりガナ語本来の特徴を保持していると考えられる方言の調査を開始することができた。この方言においては、情報構造を表示する機能を有する項目がグイ語と当初の想定以上に異なっているため、それぞれの言語において、異なる機能を持つマーカーがどのようにテキスト内において分布し相互に機能を分担しているかをより精緻に分析できるようになった。 (3)間接話法の存在およびcomplementizerの借用の発見:テキストの分析を通して、これまで報告されていなかった間接話法がグイ語に存在することを発見し、その記述を行った。また30年という期間のテキストを俯瞰したことにより、この期間中にグイ語が近隣のバントゥー語よりcomplementizerを借用したと考えられること、それを強力に使用する話者が若い世代に広がっていることを確認した。
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