2021 Fiscal Year Annual Research Report
A diachronic study on the formation of "descriptive words" in newspapers : towards a history of the basic vocabulary of modern and contemporary Japanese
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18K00612
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金 愛蘭 日本大学, 文理学部, 准教授 (90466227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 正彦 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10159676)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 語彙・意味 / 和語 / 基本語化 / 叙述語 / 外来語 / コーパス / 語彙史 / 新聞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,基本語彙の中でも文章の叙述面を支える「叙述語」の成立に注目し,近現代の書きことばの「基本語彙」史のなかで,どのような語が叙述語として基本語化したのか,また,そうした基本語化(叙述語化)をもたらした要因は何かという問いを設定した上で,とりわけ現代(20世紀半ば以降)の新聞における和語動詞の叙述語化に焦点を当て,それらの叙述語化の過程を明らかにすることを目標とする。 この目標達成のために,本研究では以下のことを行う。①研究代表者が先に構築した『毎日新聞経年コーパス』を増補する。②コーパスから叙述語化した可能性のある語を発見・抽出するための方法論を開発する。③抽出した和語動詞について文脈付きの用例データベースを作成する。④それをもとに各和語動詞の叙述語化の過程を明らかにする。 この計画に沿って,本年度は以下のことを行った。①すでに増補を終えた『毎日新聞経年コーパス』について表記面を中心とする点検と修正を行った。②叙述語化した語の抽出に用いる統計指標「語彙散布度」の計算法としてGries(2008)のDP(比率偏差)について検討した。③これまでに抽出した和語動詞について用例データベースを作成し,④それらの叙述語化の過程を分析した。 研究期間全体を通して,以下の成果を得ることができた。①『毎日新聞経年コーパス』を大規模な通時コーパスに増補し,統計的分析の精度を大きく向上させることができた。②通時コーパスから叙述語化した語を発見・抽出するための方法論を開発した。③②の方法論に基づいて『毎日新聞経年コーパス』から叙述語化した可能性の高い和語動詞を抽出し,その用例データベースを作成することができた。④「話す,言う,述べる,語る」等の「談話引用動詞」をはじめ,新聞文章の叙述面を支える叙述語としての和語動詞を特定し,それぞれの叙述語化の過程を具体的に記述することが可能となった。
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Research Products
(4 results)