2021 Fiscal Year Research-status Report
日本語名詞の意味機能と統語的特性:同格名詞句と文法化現象からの検証
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18K00615
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
眞野 美穂 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10419484)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 名詞 / 同格 / 類別詞 / 日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語において名詞が持つ統語的特性と機能、そしてそれに影響を与える要因を明らかにすることである。名詞が動詞と並び文を構成する 重要な要素であることは一般的に知られていることである一方で、日本語の名詞自体の統語的分析は、形態的・統語的手がかりの少なさから、動詞と比べ非常に遅れている。本研究では、同格名詞句の分析と、名詞から類別詞への文法化データという、これまであまり注目されてこなかったデータを使用し、多角的な視点から観察することで、手がかりの少ない日本語の名詞の統語的特性と機能について解明を目指す。特に、1)名詞の持つ意味と統語的特性の関係、2)その性質に影響を与える意味機能、に着目する。 2021年度は、2020年度で行う予定であった2年間の成果を国内外の学会で発表し、意見を得る予定であった。しかし、昨年度に引き続き、Covid-19の影響により、学内業務の増加(オンライン授業への対応も含む)により、それがかなわなかった。これらは議論を深めるために不可欠なものである。そのため、研究期間の再延長申請を行った。 2021年度の学会発表はかなわなかったものの、2021年度にはそれまでの名詞に関する研究成果を、入門書の形で学術書籍として公表することができた。また、2021年度の学会には間に合わなかったものの、名詞述語の研究は進めており、2022年度春の全国学会でワークショップが採択されている。そのため、2022年度は、予定通り学会の場で意見交換ができる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要欄で述べたとおり、2021年度も2020年度に引き続き、Covid-19による教育研究への影響は大きく、当初の予定通り研究を進めることができなかった。予定にはなかった形で名詞に関する研究成果を書籍の一部としてまとめることはできたが、1年延長することにより、当初予定していた研究内容を2022年度にあらためて行うことで、研究目的としていた名詞が持つ意味と統語的特性の解明を目指したい。2022年度は、既に春の学会にワークショップが採択されているため、予定通り進められることは確実である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の状況から、研究期間の再延長が認められている。2022年度が最終年度となるが、既に学会においてワークショップが採択されており、そこでさまざまな専門家の意見を聞き、それを取り入れることで、研究のまとめを行いたい。
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Causes of Carryover |
2021年度はCovid-19の影響のため、新しく出版された書籍および新しく必要となった物品の購入を計画しており、それは予定通り執行できた。しかし、計画に含めていた調査データの分析のための研究補助と研究会のための旅費については、 研究計画を変更せざるを得なかった。そのため、研究期間の再延長を申請し、残った予算を繰り越すことになった。2022年度は、状況の改善が見込めそうであるため、研究成果をまとめるにあたって必要な研究会の開催を計画し、そのために予算を使用したい。また、新しく出版された書籍を購入する予定もある。
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Research Products
(2 results)