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2021 Fiscal Year Annual Research Report

A Study of the Northern Kyushu Dialect from the Historical Perspective of Japanese Expression

Research Project

Project/Area Number 18K00633
Research InstitutionBeppu University

Principal Investigator

森脇 茂秀  別府大学, 文学部, 教授 (40269121)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords日本語表現史 / 日本語史 / アスペクト / 静態動詞 / すむ(澄・清)
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、日本語表現形式の中で、静態動詞「すむ(澄・清)」の意味用法を考察し、次のような結論を得た(「平安時代における「静態動詞」の一形式―動詞「すむ(澄・清)」の意味用法―」(『語文研究』130・131)。
(1)「すむ」単独用法は「和歌」中に限られ、「すむ(澄・清)」に「住む」という意を含めた、所謂「掛詞」として用いられる。(2)「すむ」は否定語と共起する用法は少数であり、否定辞と「たり」「り」とは共起しない。(3)「すむ」と「たり・り」が共起する用法は、『源氏物語』で57%である。また、「ぬ」と承接した用例が1例ある。(4)『源氏物語』で「すみて」は「すむ」の約一割である。「似て」が「似る」の3%にしか過ぎず、「すぐれて」が「すぐる」約三割を占める、中間に位置する。(5)「たり・り」が共起する用例は「すみたる」「すめる」と連体形のみである。「すむ」は連体修飾用法が重要な機能を担っている。(6)「すみたる」は、和歌中に用いられた用例がなく、「すむ」が主節の場合は、「透きとおった状態になる」「はっきりしている」という意を表すが、名詞を修飾する連体修飾節に表れた用例は、人柄や書体、色合いなどが「落ち着いた品格をもつ」という意を表す。(7)「すめる」は和歌中に用いられ、「すめる」の被修飾語句が顕在化していない時の主題は「月」、「夜」「心」であり、「すめる」が修飾する被修飾語句が顕在化しているものは、「月(影)」「夜」「心地」であって、これらは互いに連関している。
日本語表現形式全体の特徴を再構築するためには、これまでの研究と併せて、日本語表現形式を精査し、史的変遷過程等を明らかにすることが必要であり、本研究は、表現研究、とりわけ、アスペクト史研究において、重要な研究成果であると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 平安時代における「静態動詞」の一形式―動詞「すむ(澄・清)」の意味用法―2021

    • Author(s)
      森脇茂秀
    • Journal Title

      語文研究

      Volume: 130・131 Pages: 35-51

    • DOI

      10.15017/4772297

    • Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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