2019 Fiscal Year Research-status Report
英語・日本語における数量詞作用域の決定に関わる統語的要因についての理論的研究
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18K00640
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
本間 伸輔 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40242391)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 数量詞 / 統語論 / 目的語 / 目的格 / 前提性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，生成統語論の観点から，英語と日本語における数量詞句（以下，QP）の作用域を決定する統語的要因のうち，①外項・内項QPの認可方法の違い，および②格素性のQP作用域決定への関与のしかたの解明を目指す。さらに，本研究代表者の過去の研究課題である③QPの内部構造，④作用域決定における主題／焦点素性の関与についての再検討を行う。
令和元年度は，購入した統語論・意味論関連の文献のサーベイ，および国内学会や研究会への出席により各課題に関わる研究についての最新情報を入手するなどの活動を行った。これにより，上記の課題③，④の再検討を行うとともに，主に課題②に関する前年度の分析を修正・発展する分析法を検討した。この結果，⑤日本語における目的語QPの作用域の決定に格助詞の認可は間接的な関わり方はするものの，より直接的に関わっているのは目的語QPの前提性を認可する機能範疇であることを示した。さらに，課題②より派生した新たな課題として，⑥通常の目的語の位置ではなく，特に日本語において見られる，構造的に高い位置に出現するタイプの目的語の存在に着目し，これらの統語的・意味的特性を探るとともに，作用域特性の観察を行なった。
前年度の成果を共著書『日本語統語論研究の広がり』（くろしお出版，2019年10月）にて発表した他，その成果を修正・発展した上記⑤の分析を学会（筑波英語学会，2019年12月）にて発表した。さらに，上記⑥の検討の成果の一部を論文"A Note on the “Outer Object” in Japanese Possessor Passives"（『言語の普遍性と個別性』（新潟大学，2020年3月）にて発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」で述べたように，本研究における課題②についての検討をある程度進め，前年度成果の代案を示すことができ，その成果を学会にて発表することができた。さらに課題②に関する，別の課題も検討することができ，本研究の幅を広げることができた。その成果の一部を論文にまとめ発表した。従って，検討すべき課題はまだあるものの，当初の研究計画に照らし合わせると。概ね順調に進んでいるといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和２年度（本年度）は，上記の課題①，②，③，④の検討の継続，および課題⑥を加え総合的に検討する。この検討のため，購入する文献による最新の研究成果のサーベイ，および学会での情報収集を継続する。得られた成果をまとめ，学会で発表，もしくは専門誌に投稿する。
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| Causes of Carryover |
令和元年度までに得られた研究成果を国外の学会にて発表する予定であったが，「研究実績の概要」で述べた新たな課題⑥の検討も開始したため，成果の発表は課題⑥も視野に入れたものとしたい。以上により，研究成果の学会での発表は，令和元年度には行わず，次年度（令和２年度）に行うことに予定を変更した。
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