2020 Fiscal Year Research-status Report
An analysis of the impersonal construction by digitizing and comparing the printed editions of The Canterbury Tales
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18K00652
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大野 英志 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (80299271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地村 彰之 岡山理科大学, 教育学部, 教授 (00131409)
中尾 佳行 福山大学, 大学教育センター, 教授 (10136153)
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非人称動詞 / 義務・必然性 / パラレルテクスト / 国際ジョン・ガワー協会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『カンタベリー物語』の15世紀諸刊本において、その本文異同から非人称構文がどの程度継承され、また反対にどの程度書き換えられたかを明らかにすることである。そして、計画では本年度は、これまでに得られた分析結果を基に、特に比較した写本や刊本との異同が見られた箇所について、非人称構文の継承または書き換えの要因、特に言語使用者(刊本編集者)の意図の考察を行い7月に開催される国際学会(国際チョーサー学会)にて、得られた結果を大野が発表することになっていた。しかしながら、この学会は新型コロナウイルス感染拡大により結果的に2022年7月に延期になった。 データ入力について、『カンタベリー物語』全テクストを扱うことはできなかったが、6割についてはパラレルテクストを作成した。また、研究対象とした非人称動詞(義務や必然性を意味するもの)についてはすべての箇所について個別に本文異同を調査し、データベース化した。そして、2022年7月の発表に向けて、2018年発表分の調査結果(好みを意味する非人称動詞を対象)を含める形で、発表原稿の作成に着手した。なお、この内容はまず2021年度に国内の学会あるいは研究会にて発表し、改善する予定である。 また、初期写本をベースに作成された現代の版(The Riverside Chaucer)を用いた非人称動詞に関する論文(『英語青年』に2007年に掲載された日本語による論文)を英語要約したものが、国際ジョン・ガワー協会の会報に掲載され、中期英語における非人称動詞の共時的研究を紹介することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者、分担者ともに勤務校におけるコロナウイルス感染拡大対策に多くの時間と労力をとられたため、本研究の予定通りの遂行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年7月の発表に向けて、2018年発表分の調査結果(好みを意味する非人称動詞を対象)を含める形で、2021年度に国内の学会あるいは研究会にて発表する。その後、発表に基づく論文を投稿する。 データについては全テクストの入力を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年7月に発表を予定していた国際学会は2022年に延期になったが、それに向けて収集したデータをより詳しく分析するために必要な図書を購入する。また、当初購入したコンピュータも老朽化して来たので新調する。
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