2022 Fiscal Year Research-status Report
植民地朝鮮における日本語教育~計量言語学的手法から見る学校教育と社会教育との連携
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18K00685
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
上田 崇仁 南山大学, 人文学部, 教授 (90326421)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植民地朝鮮 / 国語教育 / 教材 / 学校教育 / 社会教育 / 新聞連載 / ラジオ放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
朝鮮総督府編纂の初等教育機関で使用された「国語」教材のデータ化及び、ラジオ講座、講習会で使用された教材のデータ化を継続して進めた。2022年度末の時点で、対象としている教材の90%の入力が終了した状況である。covid19の影響もあり、入力アルバイトの確保が困難で、また、引き受けた方自身が罹患するなど、データ入力が終えられていない。さらに、データ入力の正確さを確認する作業が滞っている状況である。 このような状況の下、社会教育で使用された教材3点については、分析を進め、論文として公開することができた。 KHcoderを利用するテキストマイニングの手法が、こういった教科書の特徴を示すことにも活用できるということを確認することができた。 さらに、今回直接の研究対象とは想定していなかったが、社会教育という側面から『毎日新報』という新聞紙面に取り上げられた「国語」学習教材に着目した。周辺部分の調査ではあるが、当時の社会がどのような「国語」教育にニーズを持っていたのか、また、当時、日常的に触れられる新聞紙面の教材に注目することも重要であるとの判断から、この収集に努め、1940年以降の新聞紙面からは「国語」教材を複写、すべてのカード化が順調に進められた。カード化は、25種類の講座に及び、一覧表の作成も行うことができた。この調査結果の一部は、『植民地朝鮮のラジオ放送ー近代マスメディアとしての京城放送局(JODK)』(印刷中)の中に、一部の担当者として執筆、公開予定である。 これらのカードの電子テキストデータ化は今研究では行わないが、将来的には取り組みたい課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2022年度中に終える予定で申請していたところだが、covid19の影響から、データの入力作業が大幅に滞り、データ入力の遅れから、分析作業もまた遅れてしまうという状況にある。これは、集まっての打ち合わせが困難であったこと、また、入力を引き受けてくれたアルバイトの方自身やご家族にcovid19の罹患者などが出たため、いったんお引き受けいただき、年度末に、できなかったと返されたものが複数あったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
データ入力作業を引き続き進めつつ、入力が終わった部分から分析作業に取り組むこととしている。 すでに、2022年度末までに公開した論文なども、その後の研究やデータの検討から、分析する際の基準を変更するなどしていることから、新たに分析をし直し、まとめる方向である。 本研究の進度の遅れは、単純にcovid19を原因とするデータ化の遅れに起因していることから、その影響を最小限にとどめられる見込みであることから、予定通りに進められると考えている。
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Causes of Carryover |
covid19の影響によるデータ入力謝金、データ確認作業謝金が支出できなかったこと、半導体不足によるパソコンの更新作業が行えなかったこと。 パソコンの更新作業と謝金の支出、資料内容確認の出張により、適切な使用が見込まれる。
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Research Products
(1 results)