2022 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on the Historical background and current states of Japanese language education in the Russian Far East
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18K00726
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
竹口 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80542604)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ライフストーリー / ロシア極東地域 / 日本語ネイティブ教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは主に、以下の調査協力者から調査が実施できた。まずは、ロシア極東地域の初等教育から高等教育における日本語教師であり、次に大学で日本語を学んできた学習者(元も含む)である。いずれもロシア人教員・ロシア人大学生が主であった。 今年度の本研究は、ユジノ・サハリンスク市で14年間(インタビュー時)日本語教育に携わっているA先生と、ウラジオストク市で22年間(インタビュー時)B先生という、日本語ネイティブ教師に調査協力を受けている。 本研究ではロシオア人教師・学習者のみならず、日本語母語話者教師による歴史的省察も重要であると考えている。ロシア人学習者から日本語教師への期待は、「真正性」への憧憬であると思われる。このため、これらを日本語母語話者教師がどのように察したかを分析することは当地における日本語教育の心性史を明らかにすることにつながると判断した。このことから、今年度は極東地域に移住し、日本語教育を継続しているネイティブ日本人教師を対象に、以下のことを明らかにした。(1)ネイティブ教師が日本語教育を志した経緯と継続推移、(2)極東地域の日本語学習者/ノンネイティブ教師が、日本語教育とネイティブ教師に何を期待してきたか、(3)ネイティブ教師がそれらにいかに対応したか 分析の結果、A・B先生がいかなる社会観を抱いたかも明らかになった。また、地域社会からの要望や状況の変化に、両先生がいかに柔軟に対応してきたかが明らかになった。さらに先行研究で言及されている、海外における教育活動の必要条件を、両先生は実践を通して身に着けた可能性が高いことがわかった。
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Research Products
(1 results)