2023 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Method of Teaching Information Literacy in Times of Disaster in Japanese Language Teaching
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18K00730
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
本田 明子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 教授 (80331130)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害時情報リテラシー / やさしい日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本で生活する日本語非母語話者を対象とした災害時情報リテラシーの指導方法の開発を目的とする。この研究では、情報リテラシーを「情報を正しく読み解き、正しく発信すること」とし、「災害時情報リテラシー」を災害時という非日常的な状況のなかで、①その時点で機能しているあらゆる情報源を利用して情報を入手し、②その情報の信頼性を確認し取捨選択したうえで、その情報にもとづいて必要な行動をとり、③さらにその情報を必要とする人に向けて発信し、共有することのできる能力と定義した。研究開始当初は、いかに情報を取得するかということに焦点をおいていたが、調査を進めるうちに情報の収集よりも、信頼性の確認や取捨選択、さらに適切な情報を伝える能力のほうが重視されるべきであるとの考えに至った。その過程で災害時の「やさしい日本語」の有用性に注目し、「やさしい日本語」によってどのように災害情報が発信されているのかということから、「やさしい日本語」で発信された日本語を正しく理解するためには何が必要かを考えるようになった。 2023年度は、情報の仲介(mediation)のための「やさしい日本語」を利用した災害時の情報伝達に焦点を当てて、研究のまとめを進めた。最近は、災害時の報道においても「やさしい日本語」が使用される例が多くみられるようになったが、「やさしい日本語」で発信された情報を正しく理解するためには通常時からの情報把握と、地域のコミュニティにおける人とのつながりが欠かせない。「にげて」ということばが理解できても、正確に状況を把握し逃げる判断ができないと逃げられない。また、その判断には人とのつながりも影響する。そのつながりの構築のためにも「やさしい日本語」が有効だと考えられる。2023年度はこの点について、「やさしい日本語」の学習会等への参加者を中心に補充調査を行い、研究の結果をまとめている。
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