2023 Fiscal Year Annual Research Report
Studies in English for Hospitality and Tourism on Kumano Kodo Pilgrimage Routes
Project/Area Number |
18K00806
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岩田 聖子 大阪医科薬科大学, 薬学部, 非常勤講師 (80771394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 千春 大阪公立大学, 国際機関教育機構, 教授 (90411389)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インバウンド観光 / 熊野古道 / ローカルフード多言語化 / ダイバーシティツーリズム / 観光人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究の目的である地域の魅力を伝える平易な「おもてなし地域英語表現集」作成は、以下の形となった。 熊野古道における観光従事者の観光言語、特に英語対応に関するニーズ分析の結果をもとに、外国人宿泊客からの食事に関する要望を集約し、地域が提供する食事内容に関する調査結果をまとめて行政やDMOへ提出した。 そこで、研究最終年は、熊野古道の新たな魅力発信に貢献するプロジェクト企画への参加や、観光分野全体の言語接遇の取り組みに関する学会活動が中心となった。まず、熊野本宮大社を有する田辺市本宮町を拠点とする和歌山県議からの提案を受け、今後の熊野古道の魅力発信のひとつとして、熊野本宮大社での同性婚儀のプロモーションに関する仕掛けづくりに関与した。そこで、認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」と、LGBTの熊野詣など世界発信も含めた会合をもった。 それと並行して、今後の研究に関連して、観光英語の学際的なアプローチの再考を行った。具体的には以下のテーマについて情報収集を行った。1.観光地の活性化や観光人材育成のための方策 2.富裕層へのアプローチの中での観光言語 3.中等教育における観光教育の在り方である。さらに、熊野古道への東南アジアからの訪日観光客の増加の傾向を受けて、別途実施した台湾のホテルスタッフに対するインタビュー形式の質的分析の結果を研究会にて報告した。また、台湾においては、高校・大学における職業に直結する言語教育や職場教育が、人材育成に寄与するという示唆的な結果も浮かび上がり、観光言語や観光コミュニケーションに関する新たな知見が得られた。 以上より、1. 地域の特色を生かした料理や材料の説明の多言語化 2.ダイバーシティを見据えた観光産業 3.観光産業に対する行政の強い支援 4.観光産業を主とする地域の若年層への観光教育と異文化理解の教育の必要性が浮上した。
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