2023 Fiscal Year Annual Research Report
Acquisition of argument ellipsis in second language
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18K00808
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 一美 関西学院大学, 工学部, 教授 (90435305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津 弥佳 (田中) ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (00759037)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 項削除 / スペイン語母語話者 / 英語母語話者 / L2日本語 / L2習得 / 空項 / φ素性 / 一致 |
Outline of Annual Research Achievements |
【データ収集】引き続き、グラナダ大学のDr. Nobuo Ignacio Lopez-Sakoの協力を得て、オンラインで予備実験を実施し、スペイン語母語話者のL2日本語学習者9名からデータを収集した。 【学会発表】 本研究では日本語を第二言語(L2)として学習している英語母語話者とスペイン語母語話者による削除された相互代名詞の解釈への母語の転移の可能性を検証した。Yamada&Miyamoto(2017)では、削除された再帰代名詞の解釈が議論され、英語母語話者がスロッピー読みを許容せず、それはL1英語のφ素性をいまだ保持しているためだと主張されている。一方、スペイン語母語話者はスロッピー読みを日本語母語話者と同様に解釈したが、異なった統語メカニズム(スペイン語の接語の機能を日本語の格に応用)で解釈しており、φ素性を保持していると主張されている。しかし、日本語でスロッピー読みを許す空項の先行詞は再帰代名詞だけではない。さらにYamada&Miyamoto(2017)では試験文が肯定文であり、L2学習者が空項をindefiniteの意味でとらえた可能性も否定できない。彼らの結果を明確にするため、本研究では相互代名詞の削除の解釈に加え、試験文を否定文にして実験を実施した。真偽値判断タスクではスロッピー読みを英語母語話者が約60%、スペイン語母語話者が65%許容した。追実験の結果、英語母語話者は空項を代名詞のように解釈し、スペイン語母語話者はスロッピー読みを許容していることが明らかになった。本研究ではL2学習者の空項の解釈をより明確に示すことができた。 【論文執筆】日本英語学会での発表内容がJELS 41に掲載された。
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