2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing intervention effects in Japanese EFL learners' acquisition of raising and relative clause constructions: An interface approach
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18K00834
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
吉村 紀子 静岡県立大学, その他部局等, 客員教授 (90129891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 敦之 静岡県立大学, その他部局等, 教授 (80626565)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 介在効果 / 目的語関係節 / 相対最小性理論 / 有生性 / インターフェイス理論 / smuggling / 第二言語習得 / 日本人英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人英語学習者が英語習得において影響を受ける「介在効果」(intervention effect)について、その要因をインターフェイス理論から考察し、その成果を英語指導の実践へ提案することであった。これまでの考察では、日本語の負の転移のため、主語繰り上げ構文における介在効果は甚大で習得が困難であることがわかった。 2022年度では、英語関係節の習得について調査した。英語母語習得では主語関係節(SRC,"The dog that is kissing a cat")より目的語関係節 (ORC, "The dog that a cat is kissing")の習得がむずかしく遅れる。この遅延現象について、最近のRelativized Minimality (Rizzi, 1990)では、SRCと異なり、ORCでは構造上介在する主語が先行詞とそのギャップの照応関係確立を妨害する影響が要因であると説明する。この観点から論じた日本人英語学習者の関係節習得の先行研究はなく本研究で初めて取り組んだ。 3件の理解度調査を実施した。大学生68人参加の英語SRC及び大学生30人参加の日本語ORCのリスニング調査では正答率はほぼ完璧であった。つまり、大学生は英語関係節の基本構造を理解し主語介在効果の言語的回避策(smuggling, Collins, 2005)を習得していると分析できる。しかし、大学生76人参加の英語ORCのリスニング調査では無生物先行詞と有生物主語のORCの正答率は習熟度低グループでは36.11%であった。一方、両者ともに無生物では正答率は93.52~97.5%でほぼ完璧であった。これらの結果から、日本人英語学習者は介在効果の回避策適用でORCの習得が進んで行くこと、さらに[無生物先行詞+有生物主語]のORCでは習得が最もむずかしいことが明らかになった。
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Remarks |
静岡県立大学言語コミュニケーション研究センター
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Research Products
(8 results)