2023 Fiscal Year Annual Research Report
Rethinking disfluencies in German learners' utterances from the perspective of the collaborative utterance construction.
Project/Area Number |
18K00889
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星井 牧子 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90339656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外国語教育 / ドイツ語教育 / 第二言語習得 / 学習者言語 / インタラクション / 非流暢性 / 文法習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
発話における言いよどみや繰り返し、自己訂正などの非流暢性を示す現象は学習の初期段階を示すものとされ、外国語学習・教育においては言いよどみや繰り返しのない「流暢な」発話が学習目標とされることが多い。本研究では、発話における非流暢性を学習者の発話における認知プロセスを示唆するものとして、他者との発話の協働構築およびやりとりにおけるインタラクション能力の観点から捉え直すことを目指している。令和5年度は、前年度に引き続き、学習者の発話にみられるポーズやフィラー、繰り返し、自己訂正など非流暢性を示す現象をインタビューにおける語りと多人数でのインタラクション場面のデータから分析し、比較・考察をすすめた。 インタラクションデータからは、言いよどみや繰り返しなどの非流暢性を示す言語現象は、発話において学習者が何らかの「難しさ」に直面している際に生じ、自らの発話に対するモニタリングと仮説検証を示唆すること、同時にそれがインタラクションの相手から発話構築へのサポートや訂正的フィードバックを導き出し、発話の協働構築と「気づき(Noticing)」による学びにつながることが、具体的場面の分析から考察された。インタビューにおける語りのデータにおいても、非流暢性を示す現象の出現箇所を分析することにより、ドイツ語の統語構造のうち、一般的に習得が遅いとされるV-END(定型後置)よりもXVS(定型第2位)の方が流暢性を伴って発話されていることが示され、学習者の発話における非流暢性を分析することで、ドイツ語の語順習得順序についても、補足的な知見が得られるものと考えられる。 研究成果の一部は、日本独文学会秋季研究発表会(2023年10月、京都府立大学)で報告を行った。
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