2019 Fiscal Year Research-status Report
自己決定理論を用いた異文化経験が英語学習に与える影響
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18K00898
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
田中 佑美 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (00345448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 動機づけ / 小学生 / 異文化経験 / 英語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異文化経験による動機づけへの影響を明らかにすることを目的としている。国際小学校における動機づけ研究(Tanaka & Kutsuki, 2018)を実際の異文化経験が少ない児童の在籍も想定される公立小学校に応用することで、異文化経験による英語学習に対する動機づけへの影響を考察する。
2019年度は、2018年度と同じ手順で同じ児童を対象に追跡調査を行い、さらに、保護者調査を行った。具体的には、2019年4月~6月に小学校との打ち合わせを行い、7月に小学校3校において6年生を対象とした調査を実施した。実施内容は、異文化経験と動機づけの質問紙調査及び英検Jr.による英語力(リスニング力)の測定である。英検Jr.は小学校の打ち合わせで決まったシルバーグレードを使用した。また、児童への調査後に児童の保護者への質問紙調査を実施した。保護者への調査は、質問紙を児童より手渡しで保護者に配布し、郵送によって返送を依頼した。
調査終了後に、データの打ち込みと単年度の内発的動機づけの分析を行った。分析の結果、家庭における異文化学習は親からの学習(例、親から英語を教えてもらっている)と自分から経験を積む経験学習(例、英語のテレビ番組をみている)に分類され、海外渡航経験の有無関わらず、親からの学習が英語学習に対する内発的動機づけに影響を与え、その内発的動機づけが経験学習に影響を与えていた。今後は、英語力との関連を加えて分析を深めていく。また、2年間のデータを縦断的に分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究の目的、研究実施計画を踏まえて、当該年度の研究を遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータの分析及び論文の執筆を行う。具体的には、まず、単年度の分析を行う。続けて、2年間のデータから異文化経験の違いによる内発的動機づけと外発的動機づけ(同一視的調整・取入的調整、外的調整)のバランスの変化を考察する。
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Causes of Carryover |
データ入力の作業を研究代表者自身も行ったため、人件費・謝金の支出が抑えられ、次年度使用額が生じた。ただし、データ収集が終わっているため、論文執筆や発表に必要な経費として使用予定である。
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