2020 Fiscal Year Research-status Report
自己決定理論を用いた異文化経験が英語学習に与える影響
Project/Area Number |
18K00898
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
田中 佑美 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (00345448)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 小学生 / 異文化経験 / 英語コミュニケーション能力 / 動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学生を対象に異文化経験が及ぼす動機づけへの影響を明らかにすることを目的としている。また同時に異文化経験が及ぼす英語コミュニケーション能力への影響も考察した。2020年度は全国レベルの学会において学会発表(オンライン)を行い、研究論文を執筆した。現在、論文は査読中である。対象者は公立小学校3校に通う児童であり、同じ児童を対象に5年次と1年後の6年次に追跡調査を行ったデータを分析した。動機づけの測定には、国際小学校において自己決定理論に基づいて開発された質問紙(内発的動機づけ・外発的動機づけ)を使用し、英語コミュニケーション能力の測定には英検Jr.学校版(シルバー)を使用した。2年間に渡るデータの分析の結果、異文化経験(海外滞在経験・海外旅行経験)は、5年次に内発的動機づけを高めるが、6年次に内発的動機づけが低下し、外発的動機づけが高まることが明らかになった。また、先行研究では英語圏に滞在すると児童の英語コミュニケーション能力が高まることが明らかになっていたが、本研究では、英語圏以外であっても異文化経験(海外滞在経験)が英語コミュニケーション能力の向上に寄与し、この英語コミュニケーション能力は、保持されることが明らかになった。研究参加者の保護者にも質問紙調査を行ったため、保護者からみた児童の異文化経験の動機づけと英語コミュニケーション能力への影響の具体例についても考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ分析は問題なく進んだが、新型コロナウィルス感染拡大のため海外渡航の制限及び、学会開催のキャンセルがあり、国際学会における発表ができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
国際学会における発表を行い、分析をさらに進めるため、3年で終了予定であった研究計画から変更して延長することにした。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により海外渡航が禁止され、次年度使用額が生じた。海外渡航を伴う国際学会における発表を希望しているが、海外渡航が難しい場合は、国内における国際学会の発表に使用する。また、ソフトウェア等コンピュータ関連の物品費を計上し、追加分析を計画している。
|