2020 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on social function of Osaka Kagais before World War 2 : focusing on the relationship between performing arts and society
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18K00925
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笠井 純一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (80107119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 路人 神戸女子大学, 文学部, 教授 (40144414)
飯塚 一幸 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50259892)
藤田 勝也 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (80202290)
笠井 津加佐 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (90747114)
塚原 康子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (60202181)
岡田 万里子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (60298198)
田村 義也 成城大学, その他, 非常勤講師 (80262096)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大阪四花街 / 佐藤駒次郎宛書信 / 佐藤家所蔵一枚摺物 / 地歌舞の伝承 / 田中良の舞台美術 / 大正期の宗右衛門町 / 『佐藤家史料仮目録』 / 花街と社会との関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度にはオンライン研究会を2回行い、大阪花街について認識を深めた。9月14日の発表は①「大阪北の新地 舞踊関係史料―佐藤家所蔵 佐藤駒次郎宛書信―」(笠井津加佐)②「佐藤家所蔵一枚摺物と北の新地の舞台」(笠井純一)の2本、3月30日の発表は③「応用芸術としての舞台美術――田中良の場合――」(田村義也)④「雑誌『道頓堀』に描かれた大正時代の宗右衛門町」(橋爪節也)の2本で、それぞれ豊富な資料をもとに報告が行なわれ、出席者による活発な意見交換がなされた。なお、①の一部および②は2021年3月に印刷・公表された。③も近々公表される予定である。 これ以外にも、南地大和屋に伝わる芸妓の「稽古帳」や雑誌『上方』の記事などをもとに、戦前期大阪で地歌舞がどのように伝承されたかに関する研究を印刷 ・公表した(9月)。 また、大阪北の新地の佐藤家に伝わる花街関係史料の目録『佐藤家史料仮目録』(2021年2月)を編集し、関係者に配布した。 研究と併せて強調したいのは、新史料の調査である。最大の成果は、橋爪節也氏が所蔵される大阪花街史料の一端に触れ得たことであった。佐藤家史料が大正期以降の北の新地に限定されるのに対して、橋爪氏の史料は南地五花街を中心に大阪四花街全体に及び、時代も明治中期から戦後期に亘る膨大なものである。肥田晧三氏が蒐集された史料とともに、大阪花街史料の双璧というべき史料群であろう。なお佐藤家からは、上記『仮目録』の編集後も新史料が見つかったとの報告を受けたが、COVID-19の感染状況に鑑み、年度内の調査はできなかった。本研究の目的の一つは、戦災で湮滅したと思われていた大阪花街関係史料を発見し、精細な調査を行った上で、社会と学界に還元することである。ただ本年度は調査に止まる部分が多く、課題が今後に残された。
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Research Products
(3 results)