2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the system of the Iga people who served the Tokugawa family
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18K00926
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高尾 善希 三重大学, 人文学部, 准教授 (20812598)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 徳川幕府 / 伊賀者 / 服部半蔵 / 御家人 |
Outline of Annual Research Achievements |
深井雅海・藤實久美子編『江戸幕府役職武鑑編年集成』(東洋書林、1998)のシリーズを用いて、所謂「役職武鑑」を全時代にわたって通覧し、幕府の伊賀者の動向について把握した。「役職武鑑」は、御目見以上の旗本や、有力な御家人層のみが記されている印象があるが、伊賀者に関しては、各部署の人数や、稀に人名が収録されていることを確認した。また、伊賀者を率いた服部半蔵に因む半蔵門の名称について、『江戸幕府役職武鑑編年集成』1(東洋書林、1996)の「屋敷付」において考察した。近世初期には必ずしも半蔵門と呼称されておらず、「御代官町御門」や「こうし町御門」などと呼称されており、近世の中で、いつから「半蔵門」と呼称されてきたか、考察する必要があることに気づいた。その成果は徳川家康と服部半蔵In三重大学(2023年5月20日)において発表する予定である。また、徳川幕府の伊賀者についての成果は、「徳川幕府伊賀者の成立と展開」山田雄司編・三重大学国際忍者研究センター監修『忍者学大全』(東京大学出版会、2023)(379~390頁) において発表した。徳川幕府の伊賀者が、軍制としての伊賀者から、(徳川幕府の)役職として伊賀者へといかに変遷したかを、徳川幕府伊賀者松下家文書中の「遠藤家譜」を利用して論述した。そして、地方取伊賀者(支配する領地がある伊賀者)と無地方伊賀者(支配する領地がなく蔵米取である伊賀者)の由緒の違いなどを研究史上はじめて指摘することができた。
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Research Products
(1 results)