2019 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on the dissemination of vaccination and the modernization of regional medicine in Japan centering on the compilation of historical sources.
| Project/Area Number |
18K00930
|
|---|
| Research Institution | Saga University |
|---|
Principal Investigator |
青木 歳幸 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 客員研究員 (60444866)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 種痘 / 除痘館 / 緒方洪庵 / 宇和島 / 日高涼台 / 三宅董庵 / 難波抱節 / 錦織春象 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
代表者は、2019年度に以下の調査出張を実施した。７月15・16日東京都中央図書館にて広島種痘予備調査、８月２日大阪市史編纂室にて中野操文庫種痘史料調査、８月３日、除痘館資料室で、第一回研究会開催。８月４日華岡青洲・小山肆成史跡調査、８月８日鳥取県立博物館種痘史料調査、９月７日函館中央図書館で中川五郎治種痘史料調査など。
学会発表は、７月７日佐賀・ガーデンテラスホテルマリトピアにて第50回九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会特別講演「天然痘との闘いー九州の種痘」、９月21日福岡・西南学院大学において比較文明史学会講演「牛痘法と人痘法をめぐる史的考察」、11月17日佐賀大学において日本東洋医学会九州支部学術集会特別講演「漢学から蘭学へ」など。
これらの調査・研究会・発表において、2020年度の研究報告を、中国・四国と関西の別々に出すのではなく、それぞれへの種痘の伝播が密接な関係にあるので、一体化し『天然痘との闘いー西日本編』として報告書を出すことにした。代表者は、研究協力者を組織し、青木歳幸（総論、広島県下の種痘、以下演題は仮）、ミヒェル・ヴォルフガング（上方蘭学の草分け、ゴルトシュミット著『牛痘と種痘の概史』の受容について）、中澤淳（長州藩と山口県の種痘）、梶谷光弘（錦織春象の種痘）、海原亮（鳥取の種痘）、木下浩（備前・備中の種痘）、松村紀明（種痘の「終わり」）胡光（紅毛流医学の展開）、井上淳（宇和島の種痘）、古西義麿（土佐の種痘、阿波の種痘、近江の種痘）、浅井允晶（大坂除痘館と備中足守除痘館）などの論文と 史料集として、田中美穂（「津山藩の種痘－宇田川興斎筆「引痘録」から」解題と翻刻、難波抱節の『種痘伝習録』）、青木歳幸（磨尼缺対談録、頼春風の種痘記録、三宅董庵の『補憾録』）、海原亮（「引痘計簿」）、松村紀明（岡山の近代種痘資料）などの報告と史料集をまとめることにした。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者は、広島、鳥取、和歌山等の調査で、2020年度の報告書概要を立案し、2022年度用報告用の函館での予備調査も行い、資料収集を行った。
その間に、2020年度研究成果報告書用の執筆協力者を組織し、代表者のほか、浅井允晶（除痘館資料室）、井上淳（愛媛県立歴史文化博物館）、海原亮（住友史料館）、胡光（愛媛大学）、梶谷光弘（出雲財団）、木下浩（中島医家史料館）、古西義麿（除痘館資料室松村紀明（平成帝京大学）、田中美穂（津山洋学資料館）、中澤淳（山口大学名誉教授）、ミヒェル・ヴォルフガング（九州大学名誉教授）らの報告書への執筆協力を得。2020年度内報告書刊行の準備をすすめた。さらに、2021年度、2022年度の報告書の準備も順調に進めている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2020年度に、中国・四国・関西の種痘の伝播と意義につき、『天然痘との闘いー西日本編』として刊行し、かつ史料集を刊行し、報告書とする。2020年度中に2021年度の調査を行い、『天然痘との闘いー中部日本編』の刊行と史料集の刊行にむけて、研究協力者を組織する。さらに、2022年度の報告書『天然痘との闘いー東日本編』の刊行にむけて研究協力者の組織と準備をすすめる。こうして研究期間内に、当初計画通り、全国に及ぶ種痘伝播の状況と関連資料集の刊行を実施する。
コロナ禍により、４月以降、県外調査の自粛要請が続いたのが大きな障害であるが、できるだけ早期に調査にでかけ、資料収集など研究を推進したい。
|
| Causes of Carryover |
2019年度に人件費が0円だったのは、資料翻刻について、代表者が翻刻作業を行ったためである。2020年度以降の史料集の翻刻。刊行に宛てる予定である。
|
Research Products
(5 results)
