2019 Fiscal Year Research-status Report
A Multidisciplinary Study of the OKONAI Festival in Enshyu District.
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18K00933
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
西田 かほる 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (50265576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥中 康人 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (10448722)
二本松 康宏 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (90515925)
山本 ひろ子 和光大学, 表現学部, 名誉教授 (90318709)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遠州 / おこない / 祭祀芸能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度調査をおこなった川名ひよんどり(浜松市北区引佐町川名)の補充調査をおこない、研究協力者の宮嶋隆輔の編集執筆による報告書「川名のひよんどり-遠江・正月の祭祀と芸能-」(川名ひよんどり保存会、2020年1月)を刊行した。報告書では、一連の行事を記録するだけではなく、写真を多く入れて地域の方々にも分かりやすくする一方、項目ごとに解釈を加え、解説も付すなど、研究書としても利用できるように構成した。また、報告書を作成する中で、三河西部・遠江北部地域における密教系寺院の機能やネットワークが「おこない」祭祀に密接に関わることをあらためて認識し、今後の調査の方向性を考えることができた。さらに畿内など日本各地の寺院に伝わる年頭法会(修正会・修二会)と遠州のおこないの共通性、および地域的特色について、歴史・宗教・芸能・民俗などの視点から考察を加え、今後のおこない・修正会研究の可能性を示唆した。 寺野ひよんどり(浜松市北区寺野)については、詞章の蒐集と翻刻をおこなうとともに、詞章の目録作成や比較検討などをおこなっている。1月3日のひよんどりにおいては、祭礼見学とともに採譜および聞き取り調査などをおこなった。 全国のオコナイの関連の調査としては、昨年度の毛越寺(岩手県平泉町)にひきつづき、東大寺二月堂修二会(奈良市雑司町)の見学・調査を行った。これらの調査は「川名ひよんどり」の報告書に生かすことができた。大井八幡宮(焼津市字藤守)藤守の田遊びについては、見学・調査を予定していたが、自粛の影響で断念せざるを得なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度調査を行った「川名ひよんどり」の報告書を作成することができた。あわせて「寺野ひよんどり」の調査を行うとともに、関連する祭祀芸能の調査を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、「寺野ひよんどり詞章集」を刊行する予定である。寺野ひよんどりについては既に詞章集が刊行されているが、新出の詞章を含め、再編集して刊行する。川名ひよんどりについても、継続して資料収集や聞き取り調査を行う予定である。 最終年度であることから、研究のまとめを行うとともに、地域への成果還元のための報告会開催に向けた準備を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた調査補助者などを雇用しなかったことや、図書類・物品類の支出をおさえたことによる。
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Research Products
(15 results)