2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studies for historical materials of "Oukouzokujitsurokusiryo" which are in the possession of Imperial Household Agency
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18K00941
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
新城 道彦 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (40553558)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 李太王実録 / 高永根 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宮内省(現宮内庁)が『王公族実録』を編修するために収集した膨大な史料群である『王公族実録資料』を解読・データ化するとともに、膨大な史料群の中に埋もれた機密文書を用いて、韓国併合直前の大韓帝国皇室の動向、具体的には閔妃暗殺事件以降の大韓帝国皇室における権力闘争、およびそれに日本がどのようにかかわっていたのかを解明することにある。 本年度は昨年度入力した『李太王実録資料』全14巻のデータ化を終え全体を見直して修正を進めた。『李熹公実録資料』に関しても第2巻の第七類事目ノ二にある資料番号183「一 爲折衝将軍行龍驤衛副護軍者」(開国474年正月)から203番「遞承旨李載元李容直李鵬周李鐘淳李章濂李志謙以金炳地李教獻」(乙丑正月初六日壬寅)までを入力し終えた。 これと並行して、『李太王実録資料』所収の高永根に関する史料の解読を進め、高永根が禹範善を暗殺した背景や高宗の王妃である淳妃嚴氏との関係について研究を進めた。具体的には『李太王実録資料』第1巻の「皇貴妃嚴氏譜略」「機密第九三号 高永根還送ニ関スル具申」「高永根事杉本高正申立ノ件」「乙未亡命者関係書類」である。また、『要視察外国人挙 動関係雑纂―韓国人ノ部―』(外交史料館所蔵)および外務省編『日本外交文書』の史料やチョンジョンミョン「高永根研究」(延世大学校教 育大学院修士学位論文、1986年提出)、イジョンガク『刺客高永根の明成皇后復讐記』(東亜日報社、2009年)、原田環「乙未事件と禹範善」(河合和男ほか編『論集朝鮮近現代史』明石書店、1996年)などの先行研究も参考にし、「高永根による禹範善暗殺の裏面―淳妃嚴氏の密通と陞后問題―」というテーマで論文を執筆し発表した。
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Research Products
(1 results)