2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Study of Diaries of Service in Edo by Local feudal retainer in the Late Edo Period
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18K00951
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
根本 佐智子 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (40817607)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 松平造酒助 / 庄内藩 / 江戸市中取締 / 江戸在勤日記 / 元治元年~慶応元年 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、まず研究成果報告書の刊行を行った。報告書には、神奈川県立歴史博物館所蔵『松平造酒助江戸在勤日記』全冊の全文翻刻、同時期の造酒助による書簡:鶴岡市郷土資料館所蔵「松平武右衛門文書 造酒助書簡」を年代順に並べた全文翻刻、彩色の挿絵はカラー図版で掲載した。また日記・書簡を研究した論考:根本佐智子「松平造酒助の江戸在勤」、古宮雅明「松平造酒助の在勤中の食生活覚書き」、寺西明子「江戸藩邸と国元をつなぐ―造酒助の利用した輸送手段―」を掲載した。この報告書は神奈川県立歴史博物館HPにおいて全文PDF公開している。 一方で研究成果の公開として、令和5年2月18日より4月9日まで特別陳列「松平造酒助江戸在勤日記―武士の絵日記―」展を開催した(於:神奈川県立歴史博物館)。『松平造酒助江戸在勤日記』全冊を展示、鶴岡市郷土資料館より代表的な書簡および関連資料17件を借用し展示した。造酒助の江戸在勤の業績として庄内藩への西洋銃砲(ミニエー銃)の導入が挙げられるが、日野市より実物銃器を借用し展示した。さらに、武士の在勤日記、絵日記の例として、慶應義塾大学文学部古文書室所蔵「石城日記」、江戸東京博物館所蔵「酒井伴四郎日記」、立正大学図書館所蔵『東役飛翰』を写真パネルで紹介した。広報はSNSを中心に行ったが、神奈川県立歴史博物館企画普及課の協力により展示紹介動画8本を作成し、youtubeで公開した。動画はTwitter等で話題となり、これら情報をもとに多くの来館者に恵まれた。 本研究により、『松平造酒助江戸在勤日記』の全貌が明らかとなり、鶴岡市郷土資料館所蔵「松平武右衛門文書 造酒助書簡」と共に、資料の簡便な利用が可能となった。先例のない上級武士の日記の研究であり、その在勤の様子が明らかとなったことで、今後の在勤武士研究・幕末庄内藩研究・江戸市中取締研究など多方面での活用が見込まれる。
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Remarks |
・第五弾「みきのすけと輸送経路」https://www.youtube.com/watch?v=qCYNhraoHK8・第六弾 学芸員による展示解説https://www.youtube.com/watch?v=QE5FL9SxGCY・第七弾「みきのすけのお宅拝見」https://www.youtube.com/watch?v=nznrjwi4oCA・ほかに第八弾「みきのすけという男」もある。
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Research Products
(7 results)