2021 Fiscal Year Research-status Report
幕府役所史料の整理・活用による近世法制史・身分論の新展開
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18K00956
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧原 成征 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20375520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 一郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40208252)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 江戸幕府 / 法制史 / 身分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において基盤的な作業として位置づけた、東京大学法学部法制史資料室所蔵史料の調査については、幕府役所関係分の目録詳細化に目途をつけ、目録を補訂して充実化する作業を進めた。同所蔵史料のうち補修が必要な史料の一部について補修を行った。 第二に、同資料室所蔵「遠山家記録残欠 九」(甲 2-1554)に収められている、天保 9 年(1838)閏4月の京都町人と近江の百姓の訴状を翻刻・紹介した。幕府の京都・大津役所による、大津の米問屋を介した京都への米穀供給ルートの統制という問題を通して、幕府役所と町人・百姓身分との関係を考察した。 第三に、同資料室にも同類の写本を複数含む近世前期の裁判判例集である「公法纂例 乾」(東京大学総合図書館所蔵)を東京大学大学院の宮脇啓氏とともに翻刻し、今回で翻刻を完了することができた。翻刻を終えるに当たって、同史料の「解題に代えて」を執筆し、同史料から読み取れる、江戸町方の身分社会に関する論点を整理した。 第四に、江戸東京博物館所蔵の石井良助コレクションを閲覧し、その大半が全国の地方・町方文書のきわめて雑多な文書からなることを確認したが、残念ながら、本研究課題と直接に関わるものではなかった。 第五に、学外における関連史料の調査については大きく制約されたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延が落ち着いていた2021年秋に、山口県立文書館毛利家文庫において、「公儀所日乗」など江戸藩邸関係の史料を閲覧・収集し、江戸の武士身分を幕府・幕府役所の支配や他の身分との関わりでとらえるための調査を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基盤的な作業の対象とした東京大学法制史資料室所蔵史料の幕府役所関係分については、目録詳細化に目途をつけ、この点では目標どおりの進捗をみているが、新型コロナウイルス感染症の影響で、各地の史料館等での調査は大きく制約を受けており、全体としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
数年前に予定されていたフランスでの国際研究集会は当面、目途が立たないので、国内での補充的な史料調査を進め、これまで整理した史料の活用とあわせて、近世法制史・身分論の新展開を模索したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、本年度も学外の史料調査が大きく制約されたため。残額は少額であり、来年度可能な時期に学外での補充的な史料調査を数回行う予定である。
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Research Products
(2 results)