2021 Fiscal Year Research-status Report
A Research Study of Medieval Shinto Texts Archived at the Shinpukuji Temple
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18K00964
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
トレンソン スティーブン 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (10595432)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 密教 / 中世神道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中世日本における密教と神道との関係について考察するものである。日本宗教史の分野では中世に密教と神道が混同した宗教的現象を中世神道と呼ばれているが、中世神道の歴史的展開については未解決の問題が多く残っている。そこで本研究では、真福寺などの寺院に所蔵されている神祇書の内容を手掛かりとして、真言密教(特に醍醐寺の法流を組んだ密教思想)が中世神道の発展に与えた影響を検討している。その影響の程度を明らかにするために、特に中世神道の根幹である灌頂儀礼(即位灌頂や神祇灌頂など)を中心に考察を進めている。 今年度は、この課題について三つの研究成果をまとめた。一つは、中世神道でも重要な意義を持っている真言密教の宝珠信仰についての研究で、2023年に学術雑誌(The Eastern Buddhist)で発表される予定である。もう一つは、すでに昨年度において考察していた、慈円(1155-1225)の「夢想記」に展開されている即位灌頂の思想と醍醐法流との関係についての研究である。この研究は、AAS(アジア研究協会)の学術大会及び台湾の国立政治大学主催の国際シンポジウムで発表され、2022年あるいは2023年に論文集(詳細は未定)の一つの論文として公開される予定である。この研究では慈円の即位灌頂に関する思想の根幹が同時代の醍醐寺の法流の中にも見出せるという点を論じ、即位灌頂の歴史的展開およびその内容と意義について新しい光を投じている。最後に、三つ目の研究成果は、神祇書にも出てくる武術関連の宗教的思想についてである。すでに先行研究で明らかにされたように、中世日本では武術流派において密教と神道を組み合わせる中世神道の思想が流入したが、自分でも武術と中世神道に関する論考をまとめ、学術雑誌(Religions)に投稿し発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は順調に進展しているが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により研究成果の口頭発表や、論文の執筆にやや遅れが出ている。そのために、昨年度の「補助事業期間延長承認申請書」に加えて今年度の2月に「補助事業期間再延長承認申請書」を提出し、再び一年の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度には、パンデミックの影響で二回も延期となった第19回の国際仏教学会(IABS)会議(ソウル大学校主催)に出席し、醍醐寺の密教と中世神道について研究発表を行う予定である。また、この研究についての総合的論考を英語で学術雑誌に投稿し発表する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度に本研究を完成させる予定であったが、新型コロナウイルスの拡大が続いた影響で参加を計画していた国際学会(ソウル大学校主催の第19回IABS会議)が2022年8月に延期されたために、研究費の未使用分が多くなった。次年度には未使用分を物品費(研究関係の図書)、謝金(英文校閲謝礼)、及び旅費(国内の資料調査やIABS会議など)に使用したい。
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Research Products
(2 results)