2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K00966
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂上 康俊 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30162275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 外国人研究者 / 前近代日本史 / 系譜 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本前近代史を研究した、あるいは研究しつつある外国の研究者についてのリストアップと、ある程度の系譜化を行った。 具体的には、主としてアメリカで活躍した、あるいは活躍しつつある研究者については、約80人程度を挙げて、その研究歴と主たる研究対象とを一覧表化、系譜化した。ヨーロッパについては、現在数人に研究協力を仰ぎ、アンケート中であり、アメリカと同様のデータベース化を進める目処が立っている。 中国については数が極めて限られているので、これも十数人のリストアップ、業績のデータベース化を行った。韓国については、現在活躍中の研究者の留学歴の調査などを行い、ある程度の傾向や系譜化が可能となりつつあるが、微妙な問題があるので、最終的にどこまで公表してよいか、問題をはらんでいる。中国・韓国ともに、データベース自体は出来るが、なかなか系譜的な関係では結びつかない面があることが分かった。ただ、この点はある程度予想していたことでもあった。 以上は主として個人的なアンケートと研究計画に記した各種人名録等に頼っているが、この他に古書店を通じて日本前近代史を論じた海外の書目を取り寄せ、序文・謝辞等の分析も進めつつある。更に、JAPANESE HISTORY AND CULTURE FROM ANCIENT TO MODERN TIMES等の参考書・目録類により、書誌的なデータを集めており、いずれこれらのデータに基づいて業績の実物の精査を行うための準備をしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
書誌的なデータについては、おおむね目処が付いてきたところであり、今後は具体的に分析を進めてデータベースの作成を進めていけば良いという状況になっている。 ただし、系譜的に整えることは、予想されたこととは言え、国によってはかなり実情に即さない場合がある。このこと自体興味深い現象なので、系譜化が本当に難しいのかどうかの検討とともに、背景などを個々のケースに即して検討していく必要が出てきた。個人情報に抵触しないようにオープンなデータにアクセスするとともに、対面での状況把握も必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
欧米圏に関しては、研究計画に記したように、昨年度収集したデータを読み込んで、系譜的な関係をできるだけ構築していくとともに、ミッシング・リンクを埋めていく作業も続けていく予定である。東アジア圏に関しては、そもそも国際交流史研究に偏っているという事実認識の当否、日本留学の経験が重要であって母校での教育との系譜関係は必ずしも濃いものとは言えないではないかという見通しについて、更に細かく検討し、両者合わせて、来年度にまとめる報告書の一次稿を作成したい。
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Causes of Carryover |
洋書の発注と納入との間の時間差により、次年度使用に回さざるを得なかったものであり、その反省を踏まえ、また研究計画に沿ってスムーズな発注に注力する。
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