2018 Fiscal Year Research-status Report
日本古代における中国の怪異・卜占をめぐる知識と技術の受容
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18K00978
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
大江 篤 園田学園女子大学, 人間教育学部, 教授 (10289051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久禮 旦雄 京都産業大学, 法学部, 准教授 (50726990)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 亀卜 / 怪異 / 骨卜 / 鈴鹿家宮廷資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、各自が設定した研究を進めると同時に、全体としては、「亀卜」とそれを担う卜部を輩出した地域を中心に日本国内の調査を実施し、同時に『新撰亀相記』や『宮主秘事口伝』など卜占関係の史料と合わせた検討も行う予定を立てた。 各自の研究に関しては、東アジア恠異学会編『怪異学の地平』に論文を執筆し、2019年3月16日には、明治大学で東アジア恠異学会フォーラム「怪異学の地平」を開催することができ、関連研究者と怪異・卜占について検討することができた。 また、亀卜について、皇学館大学神道博物館において鈴鹿家宮廷祭祀史料、神宮文庫において亀卜関係史料をはじめとする諸史料の調査を実施し、近世の大嘗祭復興期において、知識人の亀卜への関心がたかまり、多様な史料が現存していることが判明した。これまでの研究で、総合的に近世亀卜資料を分析したものはなく、調査の方向性を定めることができた。また、近代大嘗祭における亀卜についても同様に検討していく必要性が明らかとなった。 さらに、亀卜とそれを担う卜部を輩出した地域(壱岐・対馬・伊豆)を中心とした調査も実施する必要があることがわかった。現行習俗の調査を計画していたが、現地に赴く前の基礎調査が重要であると考え、卜占関係の史料の検討を実施した。 一方、亀卜と骨卜の灼甲骨に関する復元実験を実施することができた。鳥取県立むぎばんだ史跡公園の協力のもと、これまで実施してきたミシシッピカミミガメによる灼甲実験に加え、シカとイノシシの肩甲骨による実験も行った。また、卜骨が200点以上出土する同県の青谷上寺地遺跡の性格や韓半島の遺跡との関係などについて、発掘担当者と意見を交換することもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、各自が設定した研究に関しては、東アジア恠異学会編『怪異学の地平』に論文を執筆し、2019年3月16日には、明治大学で東アジア恠異学会フォーラム「怪異学の地平」を開催することができ、関連研究者と怪異・卜占について検討することができた。 また、亀卜に関する諸史料の調査を実施し、多様な史料が現存していることが判明した。これまでの研究で、総合的に近世亀卜資料を分析したものはなく、調査の方向性を定めることができた。また、近代大嘗祭における亀卜についても同様に検討していく必要性が明らかとなった。さらに、亀卜とそれをを担う卜部を輩出した地域(壱岐・対馬・伊豆)を中心とした調査にむけての基礎調査を実施した。 さらに、亀卜と骨卜の灼甲骨に関する復元実験を実施することができた。 以上、当初計画の調査の内容変更はあったが、おおむね順調に研究をすすめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
天皇即位の儀礼の一貫として2019年5月13日の「斎田点定の儀」において亀卜が実施される。近代大嘗祭における「亀卜」について改めて検討する。7月には、宮廷儀礼研究の第一人者である京都産業大学所功氏(名誉教授)、骨卜の共同研究を進める北海道大学近藤浩之氏、立命館大学落合淳思氏を招聘して、研究集会を開催し、意見交換を行う。 また八月に洛陽・安陽の調査を実施し、殷墟遺跡を中心に、現地博物館や寺院に伝存する唐代の考古遺物を調査し、史料の記述と合わせて、遣唐使が知識と技術をどのように伝えたのかを検証してゆく。さらに、文献調査を継続的にすすめるとともに、卜部を輩出した地域(壱岐・対馬・伊豆)への調査も計画する。
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Causes of Carryover |
現地調査を実施するにあたっての基礎調査を皇学館大学神道博物館、神宮文庫で実施することとなり、旅費が近地となったため。また、中国の亀卜・骨卜の共同研究を進める北海道大学・近藤浩之教授等を招聘して意見交換を行う研究会を日程調整のうえ次年度に実施することとなったため。 基礎調査をふまえた国内の現地調査を実施するとともに、研究集会を2019年7月に開催する。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 怪異学の地平2019
Author(s)
東アジア恠異学会編(大江篤分担執筆)
Total Pages
356(11-39)
Publisher
臨川書店
ISBN
978-4-653-04448-2
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