2019 Fiscal Year Research-status Report
日本古代における中国の怪異・卜占をめぐる知識と技術の受容
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18K00978
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
大江 篤 園田学園女子大学, 人間教育学部, 教授 (10289051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久禮 旦雄 京都産業大学, 法学部, 准教授 (50726990)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 亀卜 / 骨卜 / 斎田点定の儀 / 大嘗祭 / 殷墟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、天皇即位に係る行事があり、令和元年5月13日の斎田点定の儀で「亀卜」が執行されたこともあり、社会的な関心がたかまった。天皇即位に関する研究成果として、大江篤編『皇位継承の儀礼と歴史』(臨川書店)を出版した。この書の調査の過程で、平成即位の際に注目された鈴鹿家宮廷祭祀の亀卜関係史料とは異なる史料についての調査を行なうことができた。吉田卜部家の宮廷祭祀史料が分散するなか、鈴鹿且久家が所蔵することになったものである。これまでその存在は知られていたものの調査されておらず概要調査のみ実施した。 各自が設定した研究をすすめるとともに、全体としては、7月6日に麗澤大学において、シンポジウム 「大嘗祭と亀卜の世界」を開催した。佐々木聡が総合司会、久禮旦雄が趣旨説明と討論の司会をつとめ、大江篤「日本古代の亀卜と卜部-亀卜研究の現状と課題-」、近藤浩之(北海道大学大学院教授)「骨卜研究の現状と課題」が研究報告、コメントとして、所功(京都産業大学名誉教授・モラロジー研究所教授)「大嘗祭と悠紀・主基田」、落合淳思(立命館白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員)「甲骨占卜の復元」、島田尚幸(東海中高等学校教諭・東アジア恠異学会会員)「卜甲 動物行動学からみた亀卜」の3名が報告した。 また、8月には中国洛陽・安陽の現地調査を実施した。洛陽博物館・中国文字博物館・偃殷墟・師商城遺跡・二里頭遺跡などの博物館・遺跡を調査し、多くの卜甲・卜骨を実見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、各自が設定した研究をすすめ論文にまとめた。シンポジウム 「大嘗祭と亀卜の世界」を開催し、関連研究者と怪異・卜占、とくに天皇即位と亀卜について検討することができた。中国殷墟遺跡から出土した獣骨の灼骨実験を実施した落合、日本の弥生時代の太占の復元実験を実施した近藤、淡水種のカメによる亀卜実験を実施した大江、島田が一堂に会し、研究の課題を明確にすることができた。 また、亀卜に関してこれまで存在のみ知られていた史料の基礎調査を実施することができた。当該史料には、卜甲ほか道具類のサンプルも残されており、鈴鹿家宮廷祭祀史料(皇學館大学)と比較研究することで、総合的に近世亀卜資料を分析できるものと思われる。また、近代大嘗祭における亀卜についても昨年同様に検討する材料を収集した。さらに、亀卜とそれをを担う卜部を輩出した地域(壱岐・対馬・伊豆)を中心とした調査にむけての基礎調査を実施した。 以上、当初計画の調査の内容変更はあったが、おおむね順調に研究をすすめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年であるが、新型コロナウイルス感染拡大の状況下にあり、海外調査や国際シンポジウムについて、当初の計画を変更せざるを得ない。 国内を中心に調査を進める。鈴鹿且久家所蔵の亀卜関係資料の本調査を実施し、研究をすすめる。昨年度、耐震工事のため閲覧業務を停止していた神宮文庫での史料調査をはじめ、近世・近代の亀卜調査を実施する。 また、各人の成果を総合して、関係研究者を招聘した国際シンポジウムを開催する予定ではあるが、オンライン開催についても検討していく。さらに、卜部を輩出した地域(壱岐・対馬・伊豆)への調査も社会状況に応じて計画する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内調査が実施できなかったことと調査地の一つである神宮文庫が耐震工事のため臨時閉館となったため、次年度使用が生じた。 研究会や国際シンポジウムについては、オンラインでの開催も含めて検討していく。 現地調査の実施に関しては、新型コロナウィルスの感染予防を配慮した上で判断し、計画していく。
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Research Products
(8 results)