2021 Fiscal Year Annual Research Report
Acceptance of Knowledge and Techniques of Chinese Mysteries and Divination in Ancient Japan
Project/Area Number |
18K00978
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
大江 篤 園田学園女子大学, 経営学部, 教授 (10289051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久禮 旦雄 京都産業大学, 法学部, 准教授 (50726990)
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 講師 (60704963)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 怪異 / 亀卜 / 祥瑞災異説 / 天人相関思想 / 鈴鹿家宮廷史料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本古代における中国の怪異・卜占をめぐる知識と技術の受容について、知識と技術、それを媒介する人と書物、そしてその背景にある法と制度の観点から明らかにしてゆくものである。具体的には、日本古代において怪異を解説する役割を担った神祇官と陰陽寮に着目し、その知識と技術の実態の解明をめざした。 本年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、限られた環境ではあったが、2020年度に概要調査を実施した鈴鹿且久家史料の本調査を実施するとともに、本研究での成果をふまえ東アジア恠異学会『怪異学講義 王権・信仰・いとなみ』(勉誠出版)を刊行した。 また、3年間の研究成果のまとめとして、東アジア恠異学会、基盤B「5~12世紀の東アジアにおける〈術数文化〉の深化と変容」(代表 水口幹記/課題番号20H01301)と共催によるシンポジウム「東アジアの卜と占」を実施することができた。このシンポジウムは、「怪異」と卜占について、そのルーツとなった中国の祥瑞災異思想・天人相関観念との比較をふまえ、東アジアにおける知識の流通と受容の中でその位置づけを試み、日本古代における知識と技術の国家管理を明らかにすることを目的とした本研究を総括し、今後の研究課題を明らかにすることを目指した。近年、古代中国で成立した陰陽・五行の数理に基づく吉凶判断である〈術数文化〉の研究を進めている水口幹記氏(藤女子大学教授)の基調報告の後、研究分担者の久禮旦雄氏・佐々木聡氏の亀卜に関する報告、災異占に関する大野裕司氏(大連外国語大学外語講師)が報告を行い、研究代表者の大江篤の司会のもと議論を深めた。亀卜、宿曜道、災異占等の卜占の知識と技術の分析から、人と神霊を媒介するものとしての卜占研究の課題を明らかとし、怪異学の新たな視点を導き出すことができた。
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Research Products
(14 results)