2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on the Fatimid Caliphate based on documentary sources
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18K00984
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
亀谷 学 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (00586159)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ファーティマ朝 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は本研究課題にとって、元来最終年度となる予定であった2020年度に行うことが計画されていた国内での追加調査、海外での追加調査を通じて、これまでの成果をまとめ、それらを国内外の学会等にて報告する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスによる移動制限は継続され、特にオミクロン株の流行により2022年1月-3月に予定されていた海外出張は中止せざるを得ない状況であり、予定通りの活動を行うことができなかった。 そのような状況の中でも研究成果を論文化する作業を進めたが、やはり前年度と同様に追加調査等ができなかったため、出版には至っていない。そのため、2022年度に継続して本研究課題の研究を行うこととした。なお、ヤアクービー『歴史』の未利用写本の画像データを用いた、そのテクストの翻刻と研究も行い、現在までの校訂本や翻訳との差異についての検証を行ったが、これについてもバイエルン州立図書館所蔵を実見することが望ましく、追加調査が必要となるものである。 今年度の成果としては、史料翻訳となる亀谷学・大塚修・松本隆志「翻訳 イブン・ワーディフ・ヤアクービー著『歴史』訳注(3)」『人文社会科学論叢(弘前大学)』12, pp. 69-100を刊行したことが挙げられる。この史料はシーア派の歴史観を反映したものであると考えられ、これを精読して研究を進めることは、彼らが有していたカリフ観を明らかにするための基礎作業と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度についてもCOVID-19の感染状況が好転せず、海外での追加調査を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には、新型コロナウイルスによる移動制限などのために中止を余儀なくされた国内・国外での追加調査を行い、すでにまとめの段階に入っている研究成果の投稿・出版を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19による海外渡航等が困難であり、追加の調査に用いる旅費の支出ができなかったためである。現時点での状況を踏まえて、2022年度の夏以降に再度の実施を計画している。
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