2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Chakri Reform and China/Chinese Issues: Rethinking Colonial Modernity and Comparative Perspectives
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18K00994
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 順子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70234672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | チャクリー改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジアで独立を維持した数少ない国の一つであったシャムは、19世紀中葉から20世紀初頭にかけて植民地化の脅威に対抗して、領土の一部を英仏に「割譲」する一方、領事裁判権撤廃など不平等条約改正を目指し、司法、軍事、財政、地方行政、身分制、教育、宗教、王権などの領域において近代化政策(チャクリー改革)を進めたとされている。本研究は、西洋との関係を基点とする既存のチャクリー改革研究の中で看過されてきた中国との関係に着目してチャクリー改革を再検討し、こうした側面が諸分野における改革過程にいかなる影響を及ぼし、その方向性やプロセスを規定したのか考察することをめざしている。2023年度も引き続き先行研究の整理と検討を行い、これまでに収集した史料の整理分析を進めながら、短期間ながらタイ国立公文書館等における史料調査も実施することができた。アヘンや酒などの徴税請負制度を中心とした財政関係の記録、シンガポールおよび香港とシャムとの経済関係に関わる史料、領事裁判権が関わる係争の記録、関税に関する記録などの史料を調査した。これまでの成果として、チャクリー改革やチュラーロンコーンに関する論考や編著書などを刊行し、またバウリング条約や四世王モンクットの対英・対中関係についても新たな理解が得られた。今後は、2023年度収集した史料から得られる知見も含めて成果をまとめ、歴史叙述や史料編纂の問題についても引き続き成果を発表していきたい。
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Research Products
(1 results)