2021 Fiscal Year Research-status Report
船乗りたちの「語り」から読み解く近世イングランドの海事史研究
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18K01033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井内 太郎 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (50193537)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海域世界 / 海事共同体 / イングランド / 船乗り / 遺言書 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年10月30日(土)に広島史学研究会大会においてシンポジウム「16~17世紀の海域世界における国家と社会」をオンライン形式で企画し、日本史から藤田明良氏(天理大学)が「海域アジア史のなかの“朱印船時代”」、東洋史から山崎岳氏(奈良大学)が「兪大猷の生涯:明代中国の官軍と海賊」と題する報告を行い、東アジアの安芸行き世界と比較するために、井内が「16世紀イングランドの船乗りと海事共同体(maritime community)」と題して報告を行った。日本史が17世紀初めの徳川政権初期の海上勢力の視点から海域アジアの実態、また東洋史が明朝の政府軍の司令官を通して当時の国家と社会を見つめ直し、そして西洋史が一六世紀イングランドにおける無名の船乗りや彼らの共同体の実態を述べた。その成果は、『史学研究』の2022年度シンポジウム特集号に掲載される予定である。次に春田直紀・新井由紀夫編『歴史的世界へのアプローチ』刀水書房、2021年において「イングランド人によるギニア航海と船上遺言書 1553-1563年」と題して、本課題研究補成果の一部を公表した。本書は、日本語と英語を併置した論文集であり、日本人研究者14名、欧米の研究者9名からなる中近世ヨーロッパとアジアの比較共同研究の成果でもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
10月に開催された広島史学研究会大会において、科研に関わるシンポジウムを企画・報告し、加えて成果の一部を論集に掲載したことにより、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査を実施し、最終的な成果報告を作成・公表する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、海外調査が昨年度に引き続きできなかったために、次年度使用額が生じた。次年度の使用計画としては、海外調査、史資料の収集、最終成果報告書の作成・公表にあてる。
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Research Products
(2 results)