2022 Fiscal Year Annual Research Report
Culturally Hybrid Women on Trans-Pacific Women's Network
Project/Area Number |
18K01055
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
安武 留美 甲南大学, 人文科学研究科, 特別研究員 (10351751)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際女性運動 / 環太平洋 / グローバリゼーション / 人の移動 / ハワイ / ハイブリッド / 市民権 / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
環太平洋地域の国際女性運動が、グローバル化の加速した近代後期の社会の分断や対立、そして第一次世界大戦後の国際連携の試みと分裂の諸相とどう関わったのか。特に20世紀初め「資本主義の人道化」を目指して、激化する階級闘争や台頭する人種・民族ナショナリズムとどのように向き合ったのか。本研究は、環太平洋女性ネットワーク上に登場する文化的ハイブリッドな女性の活動に注目しながら、この2つの問いに答えようとするものである。 最終年度は、2022年9月にアメリカ合衆国、ロサンゼルス(UCLA図書館)とワシントンD .C.(連邦議会図書館)を訪問して資料の補充を行なうと共に、10月にオーストラリアメルボルン大学Dr. Julia Bowes主催の Webinarパネルデスカッションに参加し、アーカヴィストや研究者と交流し貴重な助言や知見を得た。また、2023年春ロサンゼルス市で開催されたOAH (Organization of American Historians)の年次大会で、ハワイで生まれ育った女性の活動を研究対象とする研究者と共にパネルを組んで参加した。そこでは、多人種化・多文化化したハワイが王権転覆、米国併合、第一次世界大戦の危機的状況下で、どのように社会的調和を保とうとしたのか、人種や国家を超えての女性運動の実例を挙げながらその中心的役割を果たした女性の文化的ハイブリッドな面について研究成果の一部を発表した。 今後2023年6月から7月にかけて、カリフォルニア州サンタクララ大学で開催されるバークシャー女性会議で20世紀の女性運動のグローバル化について討議するパネルに参加し、北米エスニシティ研究会でOAHでの発表内容をさらに発展させて発表する予定である。なお、1930年代に注目してのハワイそして環太平洋地域の女性たちの活動についての今研究課題の成果は、現在出版契約を結んでの査読段階にある著作原稿の最終章に追加した。全て順調に事が運べば2024年に上梓の予定である。
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